表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鍛冶屋の息子、MMORPGにはまる  作者: リーフランス
サードシークレット、夏のイベントは不思議だらけ?
75/626

泳げない妖精と歌声

「泳げません!!」


泳ぎ始めて30分、フェルがギブアップの声を出した…。


沈まないようにはなったが、移動がかなり遅いのだ…原因はなんとなくわかる、背中の妖精の羽が水の抵抗を高めて、泳ぎを阻害して、更にフェルは小さいので、腕や足を動かして得られる移動する為の力、推進力が小さくなって、結果泳げてもあんまり前に進めなくて、ギブアップする妖精が出来上がったのだ。


「私わかりました、妖精は飛ぶ生き物です!泳ぐなんて間違えています!」

「そ、そうだな、まあ水中移動の時は胸ポケットに入っててよ」

「そうします!」


頑張って泳いでる所は可愛かったけど、あんまり泳ぎの話題に触れちゃうと、フェルが海を嫌いになってしまいそうだなと思ったので、言わないでおく。


自分は水中呼吸のおかげで息の管理が不要になったので、スイスイ泳げるようになった。


現実では息継ぎをするタイミングを掴むのが苦手で、20メートルの時点で、よく息切れを引き起こしていたので、息切れが生じなくてすごく楽しい、他のプレイヤーも見かけないから衝突とか気にせず泳げるのがいいね。


それにゲームの中だからか、金属の塊であるアースキーを取り出しても、沈む事がなかったのはありがたい、万が一海の中で襲われても対処出来るかも、仮に現実でシャベル持って泳ごうとしたら、相当難易度あがるだろうな…。

ひとまず30分泳いで、満足したので海から出る。


「ふう、そろそろクエストを……うん?歌声?」


聞いたことあるような気がする歌声が聞こえる、機械で音楽を流してる感じではなくて、誰か歌っている声だ。


「なにか聞こえましたか?」

「ああ、向こう側からなんか歌声が聞こえた」


他のプレイヤーかな?なんか気になる…。


「どんな人がいるか、見に行くか」

「はい、行ってみましょう」


多分自分達と同じく、この海をエンジョイしている人かな?そう思いつつ、歌声がする方向に向かう。

約2分、砂浜を歩いてみるが、歌声が近付く感じがしない…。


「レンナさん、歌声て本当に聞こえるんですか?」

「え、フェルは聞こえないの?」

「はい、全く…」


…もしかして罠?そう思った時に、心地よい歌声が変わり、悲痛な感じの歌声が響き渡り、HPバーの下には防御、攻撃の低下を知らせるアイコンが現れると同時に、海から槍を持った魚人が2体現れて襲いかかってきた!


はめられた!歌声で安全な所から敵が出る所に誘導されたか!


「パワーアップ!スピードアップ!」

「くぅ!返り討ちにしてやる!」


胸ポケットにいるフェルの補助魔法をうけつつ、アースキーを取り出して、槍の攻撃を受け流して、攻撃してきた魚人の顔面に向けてアースキーを突き刺す、更に素早く引き抜いて、もう一度同じ所に突き刺す!


「まずは1体!」


2度顔面をつき刺された魚人は赤いエフェクトを纏って消えるが、赤いエフェクトから突然槍が現れて、自分の腹部を貫いた!


倒した魚人の背後には槍を投げたポーズの魚人がいた、まさか仲間の消失エフェクトを利用して攻撃してきた!?


「ぐう!?…仲間の死体を利用した一撃か…?」

「リジェネレート!大丈夫ですか!?レンナさん!?」

「なんとか!」


さっきの一撃で、HPが半分なくなったぞ…水着で防御性能落ちてるとはいえ、直撃はやばい…。


それに槍を投げた魚人が魔法陣を展開したと思ったら、魔法陣から槍を取り出した…無限に投げ槍出来るのか、やばいな!


更に追い打ちをかけるかのように、増援の槍を持った魚人が3体も現れる、2対4…いや姿の見えない歌ってるやつも含めて5か…。


それに嫌でも聞こえてくる悲痛の歌声から怨嗟を吐くような歌声に変わって気持ち悪い…HPバーを見てみると防御低下アイコン以外にも最大HP低下、運低下の状態異常のアイコンがついていた…。


やばい、先に状態異常を発生させてる歌声なんとかしたいのに、魚人が邪魔で声の主を探せない…でも声の聞こえる方向的に、海に居そうなんだよな…。

数的不利がやばいし、逃げるべきか?


「そこの鍛冶屋の少年と妖精の少女の二人!今助けるよ!」

「え!?そこお!!」


背後から女性のプレイヤーの声が聞こえる、魚人が声のする方向…自分の背後をみる事で隙が生じたので、取り敢えず素早く魚人の顔面に共鳴の効果で火が宿ったアースキーで、先程と同じ突き刺し2回攻撃して1体倒す!


まて、さっきフェルの事気付いて!?ああ、もう!それよりも!


「後ろ見る余裕はない!誰かわからんが助力してくれるなら、力を貸してくれ!」

「いいよ!シャドウダンス!」


剣をもった黒い影が二人現れて、魚人二人と戦闘を始める、こちらもフリーな1体の魚人に攻撃をする。


「さあ、その歌声!終わらせてあげる!ブレードピアシングスロー!」


味方の声が鳴り響くと、歌声がピタリと止んで、状態異常が解除された、歌声が止まったことで魚人が動揺して動きが止まったので、そこに野球のバットのようにアースキーを振ってぶん殴り、撃破した。


黒い影も魚人を切り刻んで、魚人を倒していた、黒い影は役目を終えたかのように一瞬で消えていった。


「誰だ…な!?」

「いえいえ、どういたしまして!」

「あ、昨日ライブしてたリオアさんだ!」


後ろを向き、増援の姿を確認する、そこには長身で青髪青目、巨乳長身で昨日ライブをしていたリオアが立っていた、ドレスのようなふりふりした水着を身に着けている…。


フェルが凄い者を見るような目で、リオアを見ている…ファンにとっては、歓喜するイベントだろうが…。


助力する時の最初の発言からして、自分を見た目は女性なのに中身が男性と見抜いて、なおかつ助力時、自分はリオアに背を向けて、位置的に見えない胸ポケットに入っていたフェルの存在に気付いてた事に警戒心を抱く…。


それにピンチにアイドルが助けてくれる!なんてご都合主義が偶然起こり得るか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] やっぱりリオアさんが出てきましたか。 にしてもサーバー分けで場所も散り散りなんですね。 主人公の周りに人がいなかったのはたまたま?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ