壊れた妖精門の鍵(火)を修復の下準備
工房に入った自分とフェルはジャケットとコートに着替えた…水着で鍛冶は危ないからな、材料を並べて、ナンバークエストで手に入れたレシピを確認する。
『妖精門の鍵を修復する際、強く望んだ姿に再変形する、また鍵の属性によっては燃えたり、凍えたり窒息したりするので、対策はしっかりする事。
武器に形作る際は妖精の魔力をより込める事』
凍える?窒息…?ヤバい、凍えるなんて鍛冶では聞いたこと無いぞ…。
望んだ形か…アースキーはシャベルとして突いたり叩いたり出来るから、斬る武器が欲しいな…。
「…なんだこれ、うちの設備で大丈夫か?一応良い鍛冶設備だけど…凍ったり燃えると表現されるレベルとなると、設備が耐えられる自信がないぞ…いっそ買うか、最先端の最高級品」
レシピを見てそんな事を言うリーダーさん。
「いいのか?」
「まあ、投資というか貸しということで」
リーダーさんが鍛冶の設備にあるシステム画面をポチポチすると、鍛冶設備が光に包まれて、大きくなり豪華になった、流石ゲームだ、ワンタッチで設備を強化するとは…。
というかサラッと貸しが作られてしまった…。
「リーダー、なにうちのお兄ちゃんに勝手に大金絡む貸しを作ってるの…お兄ちゃん気にしなくていいからね、必要なら私が返しておくから」
「いや、リーダーさんには世話になってるから可能な範囲で力を貸すよ…流石に大金払えは無理だけど…武器を作るくらいなら出来るし…」
そう言いながら、とりあえずパワーアップした鍛冶の設備にレシピと材料をセットする…。
「スタート時に全てのMPと半分のHPを消費します…て出たんだけどこれはパワーアップした新機能?」
「いや、鍛冶設備でHPを消費する機能はない、多分その妖精門の鍵がかなり特殊なんだろう…それにしても、MP全消費とHP半減て色々とめちゃくちゃだな、興味深い…」
メモを取るリーダー、めちゃくちゃなのか…?
「だけど開始時にHP半減てきついな、ただでさえ呪鍛冶のスキルでHPの減りが凄いのに…」
「わ、私が全力でサポートします!大事な鍵なので、私も頑張らないと!」
「えっと、大丈夫なのか?フェルの力は妖精門の鍵(火)と相性悪いのに…」
フェルが火傷するのは見たくないんだが…。
「レシピを見た感じ私が武器に魔力を込め続けないといけないので、例え相性悪くても頑張ります!力をコントロールして攻撃するわけじゃないので、なんとかなると思います!」
「今回はどうなるかはわからないから、危なくなったらリーダーさんの背後に行って守って貰ってくれ…リーダーさん、お願いしていいですか?」
「わかったサポートはいるか?」
「出来れば欲しい」
そう言うリーダーさんはにやりと笑った。
「ユリ、リオアに来て貰って、サポートしてもらおう、彼女のエール技は補助魔法と重複しないから、レンナさんの力になるはずだ」
「リーダーさん、アイドルを気軽に呼び出さないで…それにアイドルて忙しいのに、来れるわけ無いだろう…」
「ちょっと行ってくる…」
リーダーさんの提案に反応してたら、ユリが工房から出ていく、え?連れてくるの?
それにパーティーから抜けて、ユリのHPバー消えてるし…。
すると数分もしないうちにリオアが現れた。
来るとは思わなくてびっくりしてしまう、しかし驚いてるのが自分だけなのは気のせいか?
「全くリーダーは女使い粗いね、そんなんじゃ彼女出来ないよ?」
「うるせぇ、根に持つな…それよりレンナさんの手伝いをして欲しい」
「………意外と暇なの、リオア?というかユリは?」
「暇じゃないよ、レンナ!今夜は配信するからね!とりあえずユリは私がやってたクエストを代わりにやってもらってるよ!そのユリから話を聞いてるよ、エールの力で鍛冶をサポートするからね!エール料金はリーダー持ちね!」
「さっきの貸しとの相殺で頼む…」
リオアとリーダーさんどんな貸し借りをしてるのやら…?
リオアがやってたクエストをユリが代わりにやる?二人の実力は同じ位なのか…?
でもなんか色々とおかしいような…?まあ、いいや今は鍵を修復しないと…。
「えーと初めて大丈夫?」
「リオアはいつでもオッケーだよ」
「いつでも大丈夫です、鍵を直しましょう!レンナさん!」
リオアとフェルの言葉を聞いて、自分は鍛冶を始めるスタートボタンを押した。
失敗は出来ない…全力で頑張ろう!