表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/8

8話目 罪と罰……そして

「この馬鹿息子が!」


 ここはフォーズ伯爵家である。グランは現在父親に叱られていた。


「違います!私は無実の罪を着せられたのです!」

「そんな事はどうでもいい!貴様が喧嘩を売った貴族が問題なのだ!」


「何が問題なのですか?」

「貴様……そんな事も知らんのか……」


 グランの父親は呆れた様にため息を吐いた。


「まず、フィール家……侯爵家の娘さん、ルーシィ嬢に非礼を働き、更に屋敷まで行ったそうだな。」

「な、何故それを……」


 父親が外泊中にした事なのに何故知ってるのかがわからないグランであった。


「何故知っているという顔だな……それはな男爵家からも苦情が来た。だがな……その男爵家の中にお前は喧嘩をふっかけてはならん方にふっかけたのだ!」


「だ、だから私はその様な事はしておりません……」

「まだそんなことを言っておるのか!いいか!貴様が喧嘩をふっかけたのはな、オロル家の娘だ大馬鹿者!」


「オロル家?どこですかそれは?」

「き、貴様!」


 グランの父親は顔を真っ赤にして怒りを露わにする。まさかこれほどの無知とは思わなかったのだろう。


「グランよ、お前によく話したよな、私の命を救ってくれた者の話を、その者は名も無き英雄だったと。しかし男爵の地位に召し上げられたのだと。」


「何故今その話を?ただの昔話でしょう。その話が今なんの関係が?」


「お前……私の話を迷信とでも思ったのか?」

「えっ?」


「私の命を救ってもらったのはそのオロル男爵だ!」

「な、何ですって!」


 この真実にグランは血の気が引いた。


「それを貴様という奴は私の顔に泥を塗っただけでなく命の恩人の娘さんにまでご迷惑をかけたのだ!どう責任を取るつもりだ!」

「そ、それは……」


「とにかく!貴様は地下牢にて謹慎しておけ!処分の沙汰は追って知らせる!いいな!」


 こうしてグランは地下牢に幽閉となったのであった。








 一方その頃リアたちはというと……


「チェックよ!」

「あっ!」


「やったわ!ようやく勝てた!」


 2人は今はチェスをしているのでした。


 ルーシィ様がお屋敷に住まわれる様になって一月が過ぎました。そして私たちはここ最近チェスにハマっています。ことの発端は4日前に私の部屋にあったチェスの板でした。


「リラ。あれは何かしら?」

「えっ、あれですか?あれはチェスというボードゲームです。」


「ボードゲーム……面白そうね。」

「やった事ないのですか?」


「ないわね。お屋敷では本を読む事が基本だったから。」


 ルーシィ様は結構厳しく育てられた様でこういったゲームには馴染みがない様です。ですがある程度のコマの動きを教えると2日後には私を上回ってしまったのです。





「ま、まだ勝ち星では私の方が上ですから……まだ負けてはいないです!」

「そうね。まだ私の方が負け越してるわね。だからこれから勝ちを積み重ねるわ。」


 余裕のない私に余裕のあるルーシィ様……どちらが格上か分かりません……そんな時……


「リア様、ルーシィ様旦那様がお待ちです。」

「分かりました。」


 侍女が私たちを呼びに来た為、私たちは父上の元へと向かいました。




「お待たせしました。」

「2人ともすまんな急に呼び出して。まぁ座ってくれ。」


 私たちは席に着くと父上は話だします。


「例の一件だが、フォーズ家から先程手紙がきた。その内容によると今はグランは幽閉しており、処分をルーシィ殿とリア。お前たちに決めて頂きたいとの事だ。」


「私達にですか?」

「はい、場合によっては死刑でも構わんとの事だ。」


 いきなり罰せよと言ってきても正直困るんだけど……と横目でルーシィ様を見ると私の方を見ていました。


「私はリアに任せることにするわ。それと被害にあった他3名にも聞かなければ。」


「その心配はない。他の被害者達からはもう答えを聞いておる。その答えは、ルーシィ様に助けられましたのでルーシィ様の判断に委ねるとの事だ。」


「そうですね。リアはどうしたいですか?」


 ルーシィ様が私に聞いて来た為、私は少し考える。そして……


「この国は今戦争はしておりませんよね、父上。」

「そうだな、だが北が少し治安が悪くなって来ている。」


「そうですか、らしいですよ。ルーシィ様。」

「なるほど、リアが何を考えてるか分かったわ。確かに死刑にするより意義があるかもしれないわね。」


 私たちが何を話してるか分からない父上に私たちは結論を出した。


「では、グラン様には北へ行って貰いましょう。」

「北で戦争が起こった際に彼が何かしらの功績を挙げる事ができた時に私たちは許します。」


「……そうか、それはなかなかの罰かもしれんな。分かった伝えておこう。」



 こうして無茶苦茶してる伯爵息子のケジメをつける事が出来ました。そして私たちは……


「よし!準備完了!」

「ルーシィ様、帰られるのですか?」


「帰らないわよ。それより、リアは準備出来たの?」

「えっ?」


「前に言ってたでしょ?2人で旅に行きましょうって。」

「ええー!もう行くんですか⁉︎」


 私の驚きを他所に平気に答える。


「何を言ってるのよ。アイツはこれから北に行くのよ、だったら私たちは南に行くわよ!」

「はい!どこまでも着いていきますルーシィ!」



 私の旅はここから始まるようです。

短いですが、これで完結とさせて頂きます。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

最後に面白いと思って頂けた時はブックマークと評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ