4話目 気持ちの確認
「ん……んー……?」
私が起きると何故か体が動きづらいのでした。
「ん?……ん⁉︎」
後ろを振り向くとなんとルーシィ様が私を抱きしめて寝ていたのです。
「くぅー……くぅー……」
何やら可愛いらしい寝息を立てていました。
(可愛い……)
私は寝顔を見てそんな事を思ってしまう。だけどゲームはまだ始まったばかりなのでそう簡単に負けを認めるわけにはいかないのです。
(あれ?でも確か私たちは別々のベットで寝てたはずでは……?)
昨日2つ目のベッドが私の部屋に作られたはずなので後ろにルーシィ様がいるのはおかしな話なのです。
「あの……ルーシィ?」
「くぅー……くぅー……」
全く起きませんでした……こうなったら……
「寝ちゃいましょう……」
こうして私はルーシィ様の温もりを感じながら眠る事にした。
「おはよーリア!良い朝ね!」
「おはようございますルーシィ。それでお聞きしたい事がありまして……」
「ん?どうしたの?顔を赤くして。熱でもあるの?」
私は顔が赤くなっていた事を知らず普通に話してしまいました。なので1,2度首を振って話を戻した。
「いえ……何故私のベッドで寝てたのですか?」
「えっ?寒かったから。」
「はい?」
「いや、寒いからリアのベッドに移動したのよ。私寒がりだからね。」
「でしたら、少し厚めのお布団をご用意致しますよ?」
「要らないわ。」
「えっ?ですが寒いのでは?」
「お布団よりあったかいお布団を見つけたからね。」
「……少し厚めのお布団をご用意致しますのでそちらをお使い下さい!」
「えー!どうしてよ⁉︎」
毎日抱きつかれていてはすぐに私が落ちてしまう……それを避けるために私は突き放す事にしました。もちろんこんな理由をルーシィ様に教える訳にはいきません。なのでどんなに追求されても私は答えませんでした。
朝食を摂り終えると私だけ母上と父上に呼び出されました。
「すまないな呼び出して。」
「いえ、ルーシィ様に聞かれてはまずいことなのですよね?」
「いや、そういう訳ではない。」
「私たちは貴女の気持ちを確認したいのよ。」
「気持ちですか?」
「ルーシィ様の事どう思っているの?」
母上の鋭い視線に私は思わず身を引いてしまう。それを察したのか父上がフォローしてくれます。
「難しく考えなくてもいい、あの方と一緒にいて楽しいか、疲れるかを聞いている。お前に負担をかける様な真似は親としてはしたくないのでな。」
どうやら私を気遣っての事だったようです。
「楽しいですよ。今は2人でゲームしてるところです。」
「ほーぅ。ゲームとは?」
「恋愛ゲームです。私をルーシィ様が恋人に出来るか出来ないかの。」
「おやおや、それはまた面白い事をしていますね。それでリアは勝てそうなのですか?」
母上は先程とは打って変わって心底楽しそうに聞いてくるので私は笑顔で返しました。
「勝って見せます。ルーシィ様を侍女にしてみたいので!」
「そう。それならいいわ。楽しみなさい。部屋を出たらルーシィ様を呼んで来て貰えるかしら?」
「はい、分かりました。」
私は部屋を出るとすぐそこにルーシィ様がいました。
「何の話だったの?」
「それは……ルーシィ様が帰って来てからにします。父上達がお待ちしていますよ。」
言おうと思ったのですが後でいう事にしました。ルーシィ様は少し不服そうにして父上達が待つ部屋へと入って行行きました。
「そんな事ならあの時話しても良かったじゃない!」
「ふふふ。ごめんなさい。」
「笑ってるところを見ると反省してないわね。」
少し頬を膨らませてるルーシィ様が可愛いくみえました。そしてルーシィ様の言う通り反省などしていない私でした。
「まぁ、いいわ。リアが無理に私に付き合ってくれてる訳じゃないって分かったから。」
「それはもちろんです。嫌いならあの場でキスさせていませんから……」
言うと何故だか急に恥ずかしくなった。そういえばあの時から既にルーシィ様と関係を築かされてたのでは?と思ってしまうくらいに……
「ふーん。あの時のキスは既にOKって意味だったんだー」
にんやりと笑っている顔は明らかに私を馬鹿にしている様に見えました。なので抵抗する事にします。
「ふ、不意打ちでしたし。もししっかりと意識していたら突き飛ばしていたかも知れませんよ?」
「ふふふ。まぁそういう事にしときましょう。」
「ほ、本当ですからね!」
私は負けずに抵抗するのでした。
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