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二度目の人生
あぁ、疲れた。もう、いいこれから旅立っていくのだろう。目の前が暗くなる。思考が止まる。
機械の音がする。口がこもっている。暖かい手の温もり。ここは、どこだろうか。目はまだ開かない。ガタッと音がする。力強く両手でつかまれた感触ともに、大きな声がする。
「っ……、……将大!?、将大が息をした。動いた、う、動いた。お父さん早くお医者さんをっ!」
女性の響く声がして、安心する声がして目の前が少しずつ、色が見え、光になり、世界に変わった。ここは、たぶん、病室。僕は、まだ死んではないのか。あぁ、これから死ぬのか。
ゴトンとした扉の音。
「見てください、将大がっ」
そういって、また強く握られる手。
「おめでとうございます。一時的に手術は成功です。とりあえず、時間を作ることができました。ここからですね」
白髪の男性は、安堵の表情で僕を見る。それから、僕の周りに幾ばくかの人だかりが集まった。
拍手の音、手の温もり、空気の感触……、感覚が以前より戻っている気がした。
明るい日差し目が覚めると、鳥の声が聴こえる。ベットに備えられた時計を見る。
4月1日 am10:02 (水)
驚きで、ベットの壁に頭をぶつける。痛い。痛い?痛みがある。窓から見える、桜の木は今までにないくらい、暖かい薫りと表情に見えた。




