キョンシー、足りてますか?
2020/2
ボツキョンシーその②
「ん?」
休日の昼下がり、自室のクッションにもたれ掛かり漫画を読んでいると、急に雲行きが怪しくなり空は暗雲で覆われ今にも土砂降りの雨が降り出しそうになる。
「んほぉぉぉぉ!!!!」
すると突如一階のリビングから母親の奇声が聞こえ、やれやれと俺はリビングへと降りた……。
「んほぉぉぉぉ!!!!」
思わず俺も奇声を上げてしまった。
何故ならば、リビングにいつの間に書かれた魔法陣の真ん中に、見知らぬ浅黒い中国風の女が跪いていたからだ。そして近くで尻餅をついている腕に妙な機械を着けた母親。犯人は母親だったか……。
「ワレハ蘭々……コンゴトモヨロシク……アル」
ニカッと八重歯を見せ、蘭々と名乗る不審者が俺を見る。
「……なにこれ?」
「聞いて!ママったらこの前活け花教室で貰った『悪魔召喚システム』を使ってみたらこの子が出て来ちゃったのー!!」
母親があたふたとしながら俺と蘭々を交互に見る。何故そんな物を使おうと思ったのか……その前に何故貰ったし…………
「それくれた人車椅子乗ってなかった?」
「え、ええ……よく知ってるわね」
「…………」
とりあえず母親の腕から悪魔召喚システムとやらを外そうとする。コイツを戻さないと―――
──プスプス……
「あ?」
「何か焦げ臭いわね……」
──ボンッ!
「のわっ!」
「キャッ」
一昇りの煙の後、悪魔召喚システムは小爆発と共にボロボロに崩れた。
「…………帰れるか?」
「無理アル♪」
「だよね、ハッハッハ!」
「フフフフフ!!」
「どないするんじゃコリャー!!」
「ごめんなさーい!」
──ダダダダ!
「あっ! 何処に行くつもりだ!!…………あーあ、行っちまった……」
ドタドタと母親は家から出て行ってしまい、残された俺は仕方なく蘭々から事情を聞くことにした。
「えー……っと…………」




