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蹴散らせ UMAちゃん!

2019.12

 M県のど真ん中に位置する湖。ここは夏場には海水浴場として大変賑わう場所である。冬になれば飛来した鴨や白鳥それに鴨や鴨が見られ、パンの耳をあげると奪い合うように群れる姿が見られる。


「ほれほれ」


 真冬の湖に独りパンを投げては鴨を弄ぶ男が居た。買ったばかりのマフラーを巻き、ドタキャンされたデートの相手を想う。


「吾輩にもくれ」


「はいよ」


 不意に話し掛けられパンを隣へと手渡す。それは男の腰ほどにしか満たない少女であった。


 ──モグモグ


「美味いのぅ!」


「…………」


 男は辺りを見渡した。しかし広い湖の何処を見ても男と少女以外に人気は無い。


「君は……ひとりかな?」


「吾輩は常に一人じゃぞ?」


「お母さんお父さんは何処かなぁ?」


「吾輩に親など居らん。居ても疾うに死んでおるわい」


 男は訝しげな顔をし、少女を見た。


(変な子どもだな……)


 男は少女をジロリと眺めた。肩まで緩いウェーブのかかった柔らかい髪、白いコートに茶色のロングブーツ。見た目は普通の少女そのものだ。



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