歓迎!きたれ勇者倶楽部!!
2019.12
ボツ。
旧校舎の二階の最奥に居を構える【勇者倶楽部】には、今日も穏やかな空気が流れている。
「今日も平和でござるなぁ♪」
緑茶をすすり、しみじみと平和を謳歌するチョンマゲの生徒。
その隣では身形の良いお嬢様らしき女生徒がワナワナと怒りに震えていた。
「何を平和ボケしてるのよ!! だからいつまで経っても勇者倶楽部は部に昇格出来ないのよ!!!!」
軋む机をバンバンと叩き、拳を強く握る女生徒。
彼女はこの【勇者倶楽部】のリーダーであり、次世代の勇者を育成するこの【勇者専門学校】の中では割と成績は優秀な方である。
「まあまあ、ダイアナ殿。お茶でも如何で御座るか?」
「要らないわよ!! こんなんだから【真・勇者部】ばかりに人が集まるばかりでウチには……ウチには……!!」
ギリギリと奥歯を噛み締め錚々たるメンバーを一目見る……そしてため息しか出なかった。
学年一ののんき者、二年生ノブオ。トーレドマークは頭のチョンマゲ。好きな物は緑茶。
学校の紅一点ならぬメカ一点、一年生PIPO-4649。愛称は『ピポ』。好きな物はガラクタ。
寡黙一筋、二年生カンヌ。珍妙な発言から電波として謎認定されているためその素性は不明。
そしてリーダーの二年生ダイアナ。良家のお嬢様だが気まぐれで勇者専門学校へ入学。人一倍負けん気で勇者部を設立するもメンバー不足で倶楽部扱いに……。
彼等勇者倶楽部はぶっちゃけ毎日暇を弄ぶしか無いくらいにやる事が無いのだ!!
「このままではダメよ!! 決めたわ! 今からドラゴン討伐に出掛けるわよ!!」
「えっ……!?」
「ピポッ!?」
「…………」
腕を組み鼻息荒くふんぞり返るダイアナ。黒板に貼られた討伐依頼書には『危険度Aランク』と赤字で大きく書かれていた。
「しょ、正気で御座るか!? 我々だけでAランクのアバズレドラゴンを倒すと言う訳で御座るかぁ!?」
「勇者を目指すならアバズレドラゴンやセッソウナシドラゴンの一匹や二匹くらい倒せて当たり前よ!!」
「ピポポポ……!」
「さ、今から行くわよ!! セーブと祈りを忘れずにね!!」
「そ、そんなぁ……」




