死女神
2019.11
良く分からないけどボツ。
最後の悩みは靴を脱ぐべきか否かだった。
「おいねえちゃん! ちょっとそこのビール取ってくれや!」
強気な物言いにハッと反射的に向いてしまうのは、未だに『自分が悪い』と思うクセがあるからだろう。後は落ちるだけの私に何の落ち度があると言うのか……。
「そこのクーラーボックスからビール取ってくれ!」
顎で青いクーラーボックスを指し示す酔っ払い。私はその場で立ち尽くし何も言わずに居た。
「…………ちっ」
酔っ払いは立ち上がり自らの手でクーラーボックスを開け、中から缶ビールを取り出した。そして私の足下に置かれた手紙を見つけ、何かを察した。
「やたら手すりにもたれ掛かってると思ったら自殺かいな……」
缶ビールの開く音が夜の屋上に響き渡り、一口空け更に酔っ払いに拍車をかけた男が一歩ずつ私に歩み寄る。
「よく見たらまぁまぁ可愛いなぁ。キスしていいか?」
「や、止めて下さい……」
「どうせ死ぬんだから良いだろが!!」
「ひっ……!」
強引な物言いに思わず怯んでしまい、死のうと決めた日のことを思い出してしまった。
「決めた! お前を今から俺の女にする!!」
「……えっ? あ、あの…………」
「どうせ死ぬんだから良いだろが!!」
「ひっ……!」
近づく酔っ払いに、思わず手で顔を隠してしまった私。荒々しく捕まれた手を引かれ、酔っ払いは何かを見つめる。
「……自分で切ったのか?」
「…………」
袖口から見えた手首の傷。それは死の淵に挑んだ私の渡航録だ。
「他には……?」
「……な、無いです…………」
「本当か!?」
「…………」
「どうせ死ぬんだからウソつくなよ!?」
「お腹に…………」
強く捲られた服の下には、会社の先輩に殴られたり蹴られたりした痕が幾つもある。それは背中や脚にもあり寧ろ体で無いところが無いくらいだ。
「ま、これ位なら薬塗れば治る……」
「あ、貴方に何が分かるんですか!? 黙って聞いてればさっきから勝手なことばかり!!」
自分でも信じられない位大きな声で怒りを露わにした私はポロポロと涙を




