!!アレは二十歳になってから!! ~ナニをしないと出られないダンジョン~
2019.10
セッ〇スしないと出られない部屋のダンジョンバージョン。しかし運営神より別作品でイエローカードを貰ったためボツ。
深刻な少子化に業を煮やした国は、二十歳の成人式を迎えるうら若き男女をランダムでペアにし、ダンジョンに放り込む法案を施行した。
その名も【ラヴダンジョン法】である。
【ラヴダンジョン法】とは―――
①二十歳を迎える男女がランダムでペアとなりラヴダンジョンへ突入する。
②種族や装備は不問とし、一度入ればカップルが成立するまで脱出する事は認めない。
③カップル成立の証はアレによる交配とする。
④途中で交配が不可能な状態(死亡、重傷、重篤な状態異常、信仰の変化等)が発生した場合は速やかにダンジョン内に設置された役場へと報告する。
⑤ダンジョンをクリアした場合も脱出を認める。そしてそれぞれに1000万ドルを懸賞とする。
―――と、国が匙を投げたダンジョンの攻略と少子化対策が盛られたふざけた法案であった。
そしてココにも成人を迎えるうら若き一組の男女が…………
「…………」
「…………」
地下一階の役場から出発し、地下へと進むこと2時間半あまり。地下四階を無言で進むペア……
(何でよりによって……)
人間とエルフのハーフ男【マディン】はチラリと後ろを見てまたもや落胆の顔色を見せた。
(…………)
そこにはドラゴン族と人間のハーフ女である【ナナコ】がのっしりとマディンの後ろを歩いていた。ナナコは顔はドラゴン、体の表面こそは鱗で覆われているが姿形は人間に近い体であった。しかしその顔は人間やエルフのソレとは大きくかけ離れ、お世辞にも「美しい」とは言い難かった……。
ラヴダンジョン法が施行されて三年。マディンはこの日の為に鍛錬に鍛錬を積み重ねあらゆるダンジョンを制覇できるほどの実力を身に付けていた。それは勿論カッコイイ所を見せつけるためである。
―――ザザッ!
ダンジョンの窪みから巨大なコウモリが二人に襲い掛かる!
「ガァァァァ!!」
咆哮一吐!ナナコは口から強力な酸の息を吐き出しコウモリへ攻撃した!!
コウモリは酸で焦げ付き、瞬く間に地面へと落ちて絶命する。それを見てマディンはよりナナコの事が悍ましく感じられた。
「あれはどぐ持っでるだよ。近付いちゃなんねだ」
「お、おう……」
マディンの鍛錬はドラゴン族特有の希有な戦闘能力の前に、軽く霞を帯びていた。それ程にマディンの出番は無く、ダンジョンに入ってから一度たりとも腰にぶら下げたサーベルを振り下ろしてはいない。
(冗談じゃない……コイツとアレなんか出来るかよ!!)
マディンは役場でナナコの顔を見た瞬間から無表情でダンジョンの制覇を心に誓った。そして1000万ドルで美人を侍らせる計画を練っていた。
(オデが頑張れば弟だぢに1000万ドルで……!!)
ナナコは大家族の長女で、実家では腹を空かせた弟達が大勢待っている。弟達の学費のため、食費のため、家賃のため、ナナコもダンジョンの制覇を心に誓っていた。
一見人権云々を度外視したこのラヴダンジョン法だが、案外カップルの成立率は悪くは無い。ダンジョン内における【吊り橋効果】と言うやつだろうか、嫌々行為に及ぶ率は一割にも満たない。そしてダンジョンの至る所に休憩所ならぬ行為室が設置されている為、ぶっちゃけ死にそうになったら避難してヤッて役所へワープで脱出する事も出来る。
なにせ国が攻略を諦める程のダンジョンなので当然難易度は高く、途中からは役所から支給された地図が役に立たなくなり自分達でマッピングしなくてはならなくなる。マディン達もご多分に漏れずマッピングしながら着々と進んでいた。
そして役所より出発して一週間。彼等は地下10階に居た。
「これより魔物達が一段階強くなります。お気を付けて……」
地下10階の武具屋で装備を一新し、二人は深淵の縁へと手をかけた。縄梯子で地下11階へと降りると、空気の違いを感じ取ったのかマディンの脚が微かに震えた。
(ヤバい……そろそろ足手纏いになってきてる。やはりこのダンジョンを攻略するのは無理がある!)




