終わりの数を識る者
2019.10
某RPGの『死の宣告』みたいに他人の頭に余命が見える男の話を書こうと画作。一応終わりまで閃いたが、上手く文章に纏められずボツ。
川の水は美しく流れゆき、その先に何が待ち受けていようがお構いなく進み行く―――
「またボーッとしてるの?」
若葉の上に寝そべり口には名も無き花。上を見上げればアイシャが此方を覗き込むように座り込んでいた。
「……お前こそ、また黄色か?」
「ベーッ、だ!」
嫌がりこそすれど隠す気配の無いスカートの中は、悠々自適に俺を挑発するかの如く揺蕩っている。
「俺に近寄ると村の奴等に嫌われるぞと何度言えば分かるんだお前は……」
「別にアンタが殺した訳じゃないんだから気にしないわよ」
俺はアイシャの前にあぐらを掻き座り込んだ。頭の上に見える数字【76】を見て「お前は本当に長生きするな……」と皮肉を漏らした。
「またその話? はいはい、ありがとう」
アイシャもいつも通り座り込んだまま適当に大きく頷いた。
―――カラカラカラ……
俺達の近くを通る荷車の音。そして荷車を引く老人。
「―――お、おい……あのじーさん止めろ!!」
「な、なによ急に……!!」
俺は荷を引く老人の頭の上に見える【0】を見て驚愕した。
(確か昨日見たときはまだ【3】だった筈だ……!!)
「止めないとあのじーさん死ぬぞ!!」
「うわ……また来たのね!?」
俺は振り向くアイシャの背中を押し、老人へと嗾けた。俺が行っても気味悪がられるだけだからな…………
少し老人と話したアイシャが俺の元へと帰ってくる。そして老人は何語とも無かったかのように再び道の先へと歩き出した。
(―――チッ! ダメだったか……)
俺は心の中で深いため息を漏らす。それは失望と悲しみが混ざり切らず模様となった酷く切ないため息だった……。
「ゴメン! どうしても村へ届けないとダメなんだって!!」
「ああ……お前は悪くねぇよ、これも運命なんだろ……」
どうしようも無くやり場の無い感情を押し込め、もう一度草の上に寝そべると、コツンとアイシャの蹴りが頭にヒットした。
「どうしていつも何も無い草の上で寝てるの?」
「……ココなら何も見えないからな」
俺が物や人の上に数字が見えるようになったのは、物心ついた頃だった。その数字は物や人の『終わりを識る』数であり、数が少ない程終わりが近い。時に年数、時に回数、大小様々な数が俺の視界に目障りな程鬱陶しく映るのが嫌になり、俺は何も無い草っ原で寝ることを選び出した。
「ね、そろそろお昼だし帰ってご飯にしようよ♪ たまには私が作ってあげるからさ!」
その言葉にちょっとだけ期待感を持ちつつも、やれやれと言った感じでポケットに手を突っ込みながらアイシャの後ろをついていった…………。
「何あれ?」
「―――?」
村へと続く道の真ん中に見える荷車は、車輪が外れ横倒しにされていた。慌てて駆け寄り前を見た時、それは酷く後悔した。
「!!」
「……な、何で……!!」
細切れになった衣服と辺りに広がる夥しい鮮血。先程まで元気に荷車を引いていた老人は、今俺の前で見るも無惨な状態を晒していた…………
現場は酷く踏み荒らされており、




