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風よ私と共に……

2019.8

SFものを書きたくなり制作。


  ―――ピヨピヨピヨ



 ぼーっとする頭を抱え何とか立ち上がると、そこには滅茶苦茶に破壊された宇宙船と、見たことの無い景色が広がっていた。


 本当に微かな希望を持って宇宙船の具合を見るも、私は直ぐに全てを察した。宇宙船からは燃料の液体クリスタルが流れ出しており、既に手の施しようが無い状態だった。


 宇宙船が滑り抉れた長い地面を見て、私は事の重大さを知る。新緑の大地に取り残された私は、約三年後にはこの世を去るだろう。この惑星と共に……。




  ――惑星移住後計画――


 それはこの惑星が近い将来ブラックホールに吞まれる可能性を示唆した研究者が発案した、他の惑星に移住する計画を示す。


 予め巨大なスペースシップを建設し、大量の食料やら自給自足用の畑やらを備える。スペースシップが完成次第次々に小型宇宙船で乗り込むのだ。


 ……まぁ、私にはもう関係の無い話だがな。


 早朝でも明るく見える一等星の右横を、私は寂しく眺める。今ごろ仲間達はスペースシップの中だろう。私の分も長く生きてくれ……。



 ブラックホールはまだ遠くても、その引力は既にこの星にあらゆる影響を及ぼしている。まさにその結果がこれだ。既に宇宙船がこの星を飛び立てなくなる程にブラックホールの影響を受けている。


 移住を嫌い、この星と共に死を願う者も多数居たが、私は出来るならば死にたくはない。しかしもう生きることは叶わない。


 ここから先は貧困により移住が叶わなかった者達による反逆と殺戮が始まるだろう。世界は混乱の渦に巻かれ、政治が既に機能していないこの世の中は正にやりたい放題。

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