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幻想(ファンタジー)の欠片~今日の授業を始めます~  作者: 月灯銀雪
ささやかなる幻想(ファンタジー)
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7【基礎魔法学】魔法陣の種類と必要性



 拙作にお立ち寄りいただき、ありがとうございます(´≧人≦)



 なかなか ファンタジー魂 をくすぐられる呪文や詠唱に辿り着きませんねぇ(;^v^) ……全く思いついていませんが。



 





 皆さん、おはようございます。そこの貴方、お目々はちゃんと醒めていますか? 授業を始めますよ。




 水と土と風と火、この4つの属性の魔法記号の書き方は覚えられましたか? 杖を通して魔法紙に魔力を流す感覚にも慣れましたね?


 よろしいです。それでは、今日からは 魔法陣についても学んでゆきましょう。




 魔法陣には、大別すると魔法図や魔法式というものがあります。言葉の通り 魔法図とは記号化した魔法原語や図形を組み合わせ、方形や円形など図式化した魔法陣のことであり、魔法式とは魔法図にも使われる魔法記号や数式を用いて帯状に形成された魔法陣です。


 魔法陣を研究される方の中には魔法図の中に魔法式を組み込んだ複雑怪奇な魔法陣を構築する変態……コホッ。類い稀な頭脳によって高度な魔法を小さな魔法陣にて行使する魔術師様もいらっしゃいますが、基本的には 高度な魔法になるほど大きく複雑な魔法陣を必要とします。




 私達は何故 魔法陣を必要とするのか。それは、魔法を使う上での発動補助……発動させたい魔法の種類を指定したり 魔法現象の形成を手伝ってくれる働きのことですね。その他に 魔力の増幅、発動までの魔力維持など、生身で行使するには魔力操作が困難であったり、魔力量的に不可能とされる魔法を より多くの者が より簡易に 行使するための媒介として大切な役割を果たしてくれるからです。




 では、魔法陣が無ければ魔法は全く使えないのか と言えば、必ずしもそうではありません。




 使うべき魔法を明確にイメージし、魔力の必要量を過不足なく適切に練り上げ、イメージ通りに形成・維持し、的確な方向とタイミングで発動させる。この行程を正確に行うことができれば、まだ魔法を学び始めた皆さんでも すぐに高い等級の魔法を行使できるでしょう。




 ですが、魔法を使う時に絶対に邪魔が入らないとは言えませんし、精密な魔力操作はとても困難です。それに、ここにいるほとんどの皆さんは人族であり、人族の内包できる魔力は 他種族と比べて 決して多いとは言えません。


 集中を切らし 操作を過った魔力は、時には霧散し、時には暴発し、時には思いもよらない変異を起こします。望んだ魔法現象が起こらないならまだ良いですが、魔法現象の域に達した魔力が制御を失えば、容易く我が身を傷つけてしまうのです。そして、魔力が底をつけば強い虚脱症状や意識の喪失など、状況によっては命に関わる不具合が生じます。




 そのような危険を回避するために、魔法に関わる多くの者は魔法陣を必要とするのです。




 皆さんが入学する時に支給された“杖”も、魔力の増幅と維持の魔法陣が刻まれている 最も基本的な補助魔法具です。これから様々な魔法を学び、各分野へと別れてゆく上で、自らの魔法行使スタイルに より適した組み合わせを見つけ出し、効率化してゆくことで、安定した魔法行使ができるでしょう。




 属性に特化した杖に持ち替えるのは、威力が高い反面 行使できる魔法の幅が狭まり。


 多属性の魔法陣を刻んだ装飾品や装備品を加えれば、魔法行使の幅を広げる反面 魔法を使い分ける高い知能と器用さを必要とし。


 使い捨ての魔法陣を多数持ち歩くのは、抜群の安定性と引き替えに 手持ちの魔法陣の魔法しか使えません。




 どのようなスタイルにも一長一短がありますが、組み合わせ次第では 驚くほど巧みな魔法行使を可能とする場合もあります。

 皆さんも 自分の適性や性格、時々お財布とも相談して より良いスタイルを見つけてください。



 さあ、お話はここまで。先日 覚えた記号と丸・三角を使って、実際に10級魔法陣を描いてみましょう。




 〜*〜*〜*〜




 エリートな魔術師様を変態扱いしたり、名門校の先生なのに お財布と相談とか、やっぱり どこかお茶目さ(?)を隠しきれていないミネリア先生の声に従って 各々が魔法紙とペンを取り出してゆく中、私は少しだけ憂鬱に 隣の席を見やる。



「ごめんね、またペンを貸してくれる?」



 天使な笑顔で もう何度目かわからないお願いをしてくる第4皇子。最初に真っ青で俯いていた しおらしさは何処に行ったのだろう? 頻繁にペンを忘れてくるのは、ただの うっかりさん だと思いたい。



(なんだか、妙に懐かれた気がするのは気のせい? いや、気のせいにしておこう。私の心の平穏のためにも)



 短い返事と共に予備のペンを渡してあげれば、ニコっと眩しい笑顔を お見舞いされた。眼福と言えるレベルで可愛らしくはあるが、なんとなく直視しづらい。



(周りの目が痛いよーう。なんで私に纏わりつくんだ、この皇子は!)



 あまり変わらない自らの表情に ちょっとだけ感謝しつつ、魔法陣を描くことに集中することにした。






 次は、天使な笑顔の殿下が語ってくださいます。



[1話目に載せられなかった設定]


《魔法学教師》ミネリア・アンソワール 濃紺の髪・深い青目


 魔法学校の初等科で花形とも言える基礎魔法学を担当。ひっ詰め髪の毛と黒ブチ眼鏡のいかにもな女性教師スタイルは、学生時代に はっちゃけて いた自らを恥じるがゆえのもの。しかしながら、持ち物がやたらと可愛らしかったり、生真面目キャラでも隠しきれないお茶目な性格により、子供たちには結構 好かれている。

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こぼれ話や番外なお話→ 欠片の一粒~小話をします~
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