第十一章 滝の裏での食事
ロイ=ウェルの第十一章です。
リリーと別れたマーシャル達は、スーに連れられてスーの家に行きます。そこではスーの奥さんのサーが待っていて…。お楽しみ頂ければ幸いです☆
三人は、不思議な感覚に襲われた。ラススヴェートが一体何者なのか三人は知らなかった。だが、なぜかその名前を聞いた瞬間に、大好きな親友の名前を思いがけず久しぶりに聞いた時のような気持ちになった。ラススヴェートという名前を聞いた三人は、勇気が沸き起こり、何か素敵なことが始まる予感に胸が震え、また不思議なことに切なさや悲しみを感じで泣きそうにもなった。
ラススヴェートのことを知りたいと話す三人に対し、ここでは敵に見つかる可能性があるからと、スーはマーシャル達三人を自分の家に来るよう言った。「灯りを付けずに行くので、足元に気をつけて。エリーさん、私の服の後ろの裾を、摘んでください。エリーさんのをマリーさんが摘んで。マーシャルさんは、最後尾をお願い出来ますか?」
列が完成すると、スー達はアジトを目指して出発した。みんなが転ばないように、スーはゆっくり進み、足元に木の根や石などがあれば回り道をした。そのこともあって列の進みは遅かったが、とうとう一堂はスーの家に辿り着いた。
スーの家は、森の小川上流にある、滝の裏にあった。滝の裏には岩壁があり、そこに穴が空いていて、その穴が家の入口だった。入口の扉は少し開いていて、そこから煙といい匂いが溢れていた。「妻が張り切って料理をしてるんです。お客様なんて久しぶりですからね。ただいまサー、皆さんをお連れしたよ」と言いながらスーは扉を開け、三人はスーの後に続いて中に入った。
まず目に入ったのは、スーと同じ緑の衣装を纏った三つ編みのギリー・ドゥが、大きな鍋をお玉でかき回している様子だった。スー達に気がついたサーは、火を弱めて蓋をした後にハキハキとした声で言った。
「ああ、ようこそ!生きている間に言い伝えの人間様達と出会える日が来るなんて!今、ビーフシチューが出来たところです。大きなピザを窯で今焼いていて、やかんも沸いてますよ。用意するので皆さんはお待ちください」
サーやスーが食事の用意をするのを、みんなは手伝った。テーブルをふきんで拭き、テーブルクロスを広げ、ビーフシチューをお皿に入れてスプーンなどを並べ、沸いたお湯でお茶を入れた。
スーとサーの家は、エルフェルさんの家とは全然違うが、居心地の良い素敵なところだった。あまり広くはなく、ベッドの代わりの寝袋が壁に吊り下げされていた。天井からはハムやベーコンや玉ねぎが吊り下がっていて、剣や弓などといった武器が沢山置かれていた。
ビーフシチューやお茶、ピザ用の皿をテーブルに並べ終わると、スーとサーは三人に座るように言った。スーは、焼き上がったピザが乗ったパーラーをそのままテーブルに置いて切り分けた。みんなは、そこから焼きたてのピザを持っていき、チーズを伸ばしながら食べた。出来立ての温かい料理ほど美味しいものは無いと、三人は思いながらモリモリと食べた。
食事が終わると、サーはバニラアイスとチョコソースを持ってきた。アイスは好きなだけ取って良く、チョコもいくらでもかけてよかった。サーは同時にココアも入れておいてくれた。ココアを飲み終わると、各々は満足げにため息をついた。
「さて」ココアカップを置いたスーは、切り出した。「では、本題に移ろうとしましょうか。お話しますよ、ラススヴェートのことを。この国のことについてと一緒にね」




