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#1 プロローグ

初投稿です。最初の一文がふと思いつき、そこから一気にノリだけでできた作品なので、今後のストーリーもキャラクターも何も考えてません。なので更新は不定期になりますが、のんびりやっていこうと思います。よろしくお願いします。


 拝啓、異世界転生のラノベが跋扈している昨今、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?突然ですが、『もし神様から何かしらの力をもらって異世界転生ができる』としたら、どんな力が欲しいでしょうか?

 地球の情報を武器にするためにスマートフォンを持ち込みますか?

 ハーレムを作るためにモテモテになりますか?

 英雄になるためにチートステータスになりますか?

 スローライフを求めて不老不死になりますか?

 なぜ、私がこんな話をしているかというと、今まさに私が、そんな状況になっているからです。

 ……そう。私は死に、女神様から異世界転生の機会を貰えたのです。気が付いたら真っ白な空間にいて、目の前には古代ローマ時代に着ていたトーガのようなものを見に纏う女性。色々なラノベを読んでいた私は、自分の状況にすぐに気付きました。案の定、私は死に、転生の機会を与えられたことを聞かされました。

 ……どこのラノベ主人公よ!

 心の中でツッコミつつ、女神様から渡されたタブレットを見つめる私。そこには様々な転生特典が並んでいました。

 ありとあらゆる魔法を使いこなす【魔法適性】。

 全ステータスがカンストしている【チートステータス】。

 思い浮かべた場所に瞬間移動をする【転移】。

 異性を惹きつける【異性フェロモン】。

 幸運乱舞の【超運】。

 大事件から面白い事件まで、なんでも呼び寄せる【トラブルメーカー】。

 大国の王家に生まれる【王族】。

 他にも数え切れないほどの特典があります。

 これらの中から1つを選び、転生するそうです。もちろん、この中にないものを選ぶことも可能だとか。

 私がこれから行く世界は、よくある中世ヨーロッパ程度の文明の剣と魔法のファンタジーな世界。ゲームでよくある世界観なので、割と簡単に馴染めそうなのが救いでしょうか?会話と読み書きはできるようにしてくれるそうなので、その辺りの心配は不要なので、改めて勉強をする必要もないそうです。

 ともかく、どんな能力にするか……。これから始まる第二の人生を左右する案件なので、慎重に選ばないといけないわけですよ。

 ……っと、どうやら一番下までスクロールしたみたいです。

「ん?」

 ここに来るまでに色々とおかしな『転生特典』はありました。【不運】とか。そんなの選ぶ奴いるわけないでしょ!他にも『なにかと死にかける目に遭うけど、なんだかんだで生き延びる』という能力【悪運】。いや、だからなんでそんな特典があるんですか?それを選ぶ人がいたら絶対マゾですよね?大体、【不運】とどう違うんですか!?そして一番最後の特典。これはこれで異彩を放っていました。

【キャラクターメイキング】

「ゲームか!?」

「ひっ!?」

 とうとう声に出してツッコミをしてしまいました。ずっと黙々とタブレットを見ていた私が急に大声を出したもんだから女神様がビクッてなっています。

 女神様なんだからもう少し自信を持ってほしいな……。さっきから自信なさげにこちらの様子をチラチラと窺っているのがかなり鬱陶し……いや、かなり気になります。

 どことなく「禁則事項」が口癖の未来人さんを彷彿とさせる女神様だなぁ……。容姿ではなくて、自信のない雰囲気が。

 私は女神様を無視して【キャラクターメイキング】の項目をタップし、詳細情報を表示させました。これを開発した人、地球人なんじゃないでしょうか……。

 どうやら【キャラクターメイキング】とは、自分で自由に容姿を決めることができるらしいですね。せっかく記憶を持って転生したのにブサイクだったらガッカリですしね。どうせなら美男美女になりたいですよね。わかります。ものすごくわかります。だけど……姿を変えるだけって言うのは特典としては弱い気がしますね。それなら、【チートステータス】や、【魔法適性】、永遠に若さと命を保つ【不老不死】とかの方が断然良いと思いますが。いや、待ってください。これを使えば好きなキャラクターになることもできるのでは?いや、ダメですね。見た目は同じでも能力が伴わないのでは意味がありません。

「それにするの?」

 横からタブレットを覗き込んだ女神様が尋ねてきました。もう少し神様らしくしてもらえないですかね?

「実はそれ、担当者の好みに合った容姿の場合、追加特典が貰えるんだよ?」

「追加特典?」

 担当者。私の場合はこの女神様だけど、女神様が気に入る容姿になれば、他の転生特典をサービスしてくれる、ということのようですね。これはかなりお得なのでは?問題は担当者の好みですが、この女神様の好みはなんとなく察しがついているし、追加特典は間違いなくもらえるはず。中学から高校の六年間、演劇部に所属していた私は、役の幅を広げるために日常的に人間観察をしていて、普通の人より少しばかり人を見る目があるのですよ。そして、この女神様はすごくわかりやすい人でした。

 サービスで追加特典をくれるなら、【悪運】や【不幸】のようなマイナス要素ではなく、【チートステータス】や【魔法適性】のようなプラス要素の特典をくれるはずです。ならば、これは勝てる賭けじゃないですか?

「【キャラクターメイキング】でお願いします!」

 私はそう言いながら女神様にタブレットを返しました。

「それじゃあ、早速始めましょうか」

 女神様はそう言いながらタブレットをちょちょいと操作しました。すると、私の前に試着室のような物体が出現しました。

「この中に入って、なりたい姿を強くイメージしてね」

 中に入り、カーテンを閉める。正面には大きな姿見がありました。完全に試着室だ……。

 とりあえず私は言われた通りになりたい姿を思い描きました。女神様の好みを押さえつつ、私自身も納得できる姿。他のラノベやゲームのキャラクターを参考にしていきます。

「えっ!?」

 鏡に映る私の姿が変化したのです。

 自分の身体を見ても、何も変化はありません。どうやら変わったのは鏡の中だけのようでした。不思議な光景……。

 でも、これで細かい所まで確認しながら決めることができますね。30分くらい時間をかけて完成させました。

「できました!」

「できたなら、鏡を触ってね。そうしたら登録完了になるから」

「まるでVRゲームをしてるみたい……」

 あと何年か経てば、アニメにあったようなフルダイブゲームが完成していたのでしょう。やってみたかったな……。そんなことを考えながら私は鏡をタップしました。

 すると、画面が切り替わりました。名前や年齢の設定ができるようです。これ、もしかしてゲームの世界なのでは……?

 と、とりあえず、年齢はこれから行く世界が15歳で成人であることを考慮して13歳くらい。現実より6歳も若くなりますよ!

 名前は私の好きなキャラの名前を組み合わせて……。よし、これで完成!最後に1番下にある、『登録完了』をタップ!

 次の瞬間――

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 美少女の悲鳴が響き渡る!いや、ごめんなさい!調子に乗りました!美少女とか言ってごめんなさい!

 タップした瞬間、全身をあらゆる角度から圧迫されたのです。骨がミシミシと嫌な音を立てている。これは死ぬ!圧死する!助けてぇぇぇぇぇっ!

「整形プロセスに入ったみたいね。終わるまで頑張ってね」

 整形プロセス!?まさか、物理的に容姿を変えるわけですか!?物理的に身体を縮めているわけですか!?ひぃっ!?メスみたいなのが現れた!待って!せめて麻酔を……麻酔をしてからにしてぇぇぇぇぇっ!



「し……死ぬかと思った……」

 いや、もうすでに死んでるのか。だからここにいるんだっけ。あれから3時間。体感ではその倍以上の時間が過ぎ、私の物理的整形は完了しました。おそらく容姿の変更は完了しているはずです。この試着室の鏡はアテにならないので。

 試着室のカーテンを開け、外に出ました。すると、女神様がこちらを驚いた顔で見ています

「あの……むぎゅ!?」

 まるで夢遊病のようにふらりと近付いてきた女神様に抱き締められた。胸が!大きな二つの山が私の顔に押し付けられ、呼吸ができない!女神様の腕をペシペシ叩いて解放を要求するが反応がない!

 く、苦しい……息が……さ、酸素を……酸素を下さい……。

 そして、私の意識は闇に呑み込まれた。



「本当にごめんなさい!可愛かったから、つい……」

 意識を取り戻した私に平謝りをする女神様。神様に土下座された人間って、初めてなんじゃないでしょうか?

 どうやら今の私は死者という扱いになるので、死に重ねることはないらしい。死に重ねるってなんですか……。自分で言って意味がわかりません。

 極端な話、今の私は首を切られても死なないらしい。痛覚はあるけど。怖いな……。

「それで、追加特典の件は?」

 あの反応からすると、間違いなくもらえるはずです。この女神様は、妹に飢えている。いや、正確には『自分を姉として頼ってくれる子』なのでしょう。だから私は少女になった。歳は13歳くらい。これから成長することも考慮しているけど、やや小柄な13歳。下手したら10歳くらいに見られるかもしれない。身長はかなり低くしたから、物理的に全身を押さえつけられて背が縮みましたよ。骨が圧縮されましたよ。髪は思い切って金髪。太陽の光を反射しているかのような綺麗な金髪。滑らかなロングヘアーにしています。髪の色は、せっかくの異世界なので奇抜な色もありかとは思いましたが、無難に行くことにしました。銀とかピンクとか、異世界感があっていいのですが、万が一浮いてしまったら嫌なので。黒じゃないのは西洋風の顔にしたからです。東洋系の顔だと実年齢より幼く見られますから。瞳は蒼と翠のオッドアイ。紅も考えたのですが、ここは自分の好きな色を優先しました。それに、左右で色が違うのって、カッコいいじゃないですか。体型は女神様の好みに合わせてスレンダーですが、将来的にはそれなりに凹凸のある身体になれればいいな、と思いながらのキャラクターメイキングなので、そこそこ成長するでしょう。いつまでもぺったんこというのは流石にちょっと……。

「追加特典は【魔法剣士の適性】と【不老不死】にするね」

 やった!【魔法剣士の適性】!確か魔法と剣の両方の才能を持つやつです。魔法使いや剣士のように特化した人にはかないませんが、それなりの才能を持ち、ステータスもそれに相応しいものになる、というクラス適性。異世界なのだから魔法は使ってみたいし、なんなら剣も少しはやってみたかったので、完璧な追加特典ですね。【不老不死】は別に興味はありませんが。

「それでね、これから異世界に送るわけだけど……」

 なにやらもじもじしている女神様。あ、なんとなくわかった。

「なぁに?おねーちゃん」

「ズキュゥゥゥゥゥンッ!」

 私がわざと子供っぽく言うと、女神様は胸を押さえながら仰け反った。てか、ズキュゥゥゥゥゥンなんてリアルに言う人初めて見たよ……。それにしても、まさかここで演劇部の成果が役に立つとは……。

 中学も高校も最後の年は部長を務めた私。高校では二つ名があるほどの有名人になっていましたよ。近隣の高校の演劇部では、私は『西高の名脇役』の異名で呼ばれていたようです。部長が脇役をやってもいいじゃないですか。主役は女優を夢見る部員に譲りましたよ。

「これから先、大変なこともあるかもしれない。だから、いつでもお姉ちゃんを頼ってくれていいのよ!?」

 鼻血出てますよ、女神様。もう威厳も何もあったもんじゃ……いや、最初から威厳はなかったか。それにしても、よっぽどお姉さん扱いされたかったんだね。

 と、ここで私はふと気になった。【不老不死】って、老化しないってだけで、成長しないって意味じゃないですよね?

「女神様」

「おねーちゃんって呼んで?」

 あ、目がマジだ。

「お、おねーちゃん……」

「なに?」

 すごく嬉しそうな顔!目をキラキラ輝かせて、まるで仔犬のような可愛さが……いや、それよりも聞いておかないといけないことがあるのです。

「【不老不死】って、ある程度成長した段階で成長が止まるってこと……だよね?」

 敬語を使いそうになりましたが、寸前のところでやめました。多分敬語を使うとダメな気がする。ここは妹っぽく行きますよ。

「もちろん、今の姿のままよ」

「……なっ」

「今の姿を残しておきたいじゃない!」

 それって、私は一生幼児体型ということですか!?そしてこの女神様、幼女趣味の変態なのですか!?

「あの……せめてもう少し成長したいんだけど……」

「それじゃあ送り出すわね」

 あ、ダメだ。これは自分でなんとかするしかない。魔法で成長できないか、研究しよう。そうしよう。

「転移先に希望はある?」

「どこかの村の近くで。あまり人目のつかない場所の方が余計な騒ぎにならないかも」

「なるほどなるほど。じゃ、行くよ~」

「あの、本当に大丈夫?」

 軽いというか、ぽやぽやしてる女神様の様子に、無性に不安になった。

「大丈夫大丈夫。おねーちゃんに任せなさい!」

 女神様は胸を張りながら言った。くそぅ、悔しくなんかないからね!?

 そして、私は柔らかな光に包まれた。

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