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学校で人気な美人姉妹を助けたけど、適当な名前を名乗って乗り切ったのに、しばらくしたら病んでいる彼女がたちが僕のところにやってきた  作者: 普通


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12/16

学校内で美人姉妹の姉と会う

僕は今、美人姉妹の姉と隣同士で歩いている。


こんなことにはなりたくなかったが、これは僕の責任なので仕方ないか。





少し前に遡って、今日は僕が掃除当番でゴミ捨てをする日だった。この高校のゴミを捨てる場所は校舎裏だ。そこまで距離があるものの、当番である以上はそれを全うしないと帰路につけない。


僕はため息を吐いた後にゴミを持って、校舎裏へと向かった。少し視界がおかしい気もするが、今は別にいい。


その途中で一人の女子生徒がゴミ袋を二袋持って、必死に足を進めていた。男であるならば別にあの程度のゴミ袋を持って行くのは問題ないが、女子にはきついか。

そんな風に考えながら僕は彼女を追い越した。



そこで後ろから大きな音が聞こえて、振り返るとそこには尻もちをついて倒れている女子の姿があった。さっきまで持っていたゴミ袋は近くに放り投げられていた。しっかりと縛ってあるため、ゴミが外に出て行くという最悪の事態だけは避けられたみたいだ。


振り返らなければ、彼女と目が合うこともなかったが、僕は音を聞いて振り返ってしまった。もちろん彼女と目が合ってしまった。



「あの…ちょっと手伝ってくれませんか?」


断りたいところだが、彼女の持ち物からして目的地は僕と同じだ。それなら別に大きなマイナスにはならないかと。



僕は彼女に手を差し伸べて、起き上がる手伝いをした。



「ありがとうございます」


「別にお礼はいらない。どうせお前もゴミを捨てに行くんだろ。僕も目的地は同じだから」


「それでもありがとうございます」



それからゴミ捨て場までの道のりを彼女と話した。暇つぶしにはちょうどいい気がするな。


どこかで見覚えがある顔だと思ったが、それは名乗りで分かった。



「私は長倉沙紀と言います。よろしくお願いします」


そりゃあ、見覚えがあるわけだ。最近何度か顔を見ているからな。



長倉姉は僕の方に微笑みかけている。


これはお前も名乗れということだろうが、僕は彼女とコンタクトを取りたくない。別に名乗るだけで火種がこっちに向いて来るようなことはさすがにないと思うが、どんなものが火種になるか分かったものではない。


まぁ、同じ高校に通っている以上は僕が名乗る、名乗らないにどこまで意味があるのかは本当に分からないが。


まぁ、単純に名乗りたくはないので話題を提供することにした。



「最近どう?」


「…最近ですか?」


いくら何でも適当なネタを振り過ぎたなと反省した。高校生が高校生に対して、振るネタでは絶対にない。せめて社会人の先輩と後輩関係ぐらいじゃないと絶対にない話題。


長倉姉はそれでも真剣に考えてくれているようで、しばらくの沈黙の末に答えてくれた。


「最近は色々とありましたね。私の人生の中でも一番濃い時間かもしれないです」


「そうなのか」


「はい、男性に乱暴されそうになっているところを助けられて、その人と運命的に同じ高校で、大切な関係になれましたし」


「それはよかった」


こいつらの恋愛に外野は何も言わず、騒ぎを大きくしないでくれると僕としてもありがたいが。だが、ファンクラブや生徒会など面倒くさそうなのがいるとこのまま丸く収まりそうにない。


絶対にその火種が僕に向くことだけは絶対に避けてくれ。




そんなことを考えていると背中の方から僕を呼ぶ声が聞こえた。面倒だと思いながらも振り返るとそこには腰越が息を切らしていた。


隣の長倉姉も足を止めてしまった。僕のことなんて気に掛けず、先に行ってくれて別に構わないんだが。


「なにか用か?」


「…あ、あんたこれ忘れているって!」


腰越がポケットから出したのは眼鏡ケースだった。そこで僕はやっと彼女がなんでそんなに息を切らしてまでここに来たのか分かった。



「そうか、忘れてたわ」


「は、はぁ…忘れてたわじゃない!あんた、お医者さんから屋内でも掛けておくようにって言われてるでしょ」


それは事実だ。僕の生まれつきの病気、『網膜色素変性症』。この病気は簡単に言えば視覚障害だ。そして視力の低下、夜盲など色々とあって最悪の場合は失明だ。


この病気の明確な治療法はまだ見つかっていないが、進行を遅らせることはできる。そのための必需品としてこのサングラスだ。外でも中でもサングラスをするのが普通。


なんかさっきからちょっと視界がおかしいと思ったが、サングラスをしていなかったからか。まぁ、別にゴミ捨て場の距離ぐらいであればしてなくても問題はないんだが。


「態々、悪いな」


「本当にそうよ。少しでも進行を遅らせるためには絶対にサングラスが必要なんだから、もう忘れないでよ」


腰越は僕の母親かと言いたくなる。さっきも思ったが、この距離はそこまでおかしくない。


まぁ、でも届けてくれたことに対するお礼は言わないとな。


「ありがとう、腰越」


「…いいわよ。別に」


そして腰越は去って行った。僕もそれを見届けて、眼鏡ケースからサングラスを取り出して掛けることにした。


サングラス越しに見える景色を見て、これだこれだと思った。




「サングラスですか?」


「ああ、うん。サングラスを付けてないとだめなんだ」


「だめ?」


「まぁ…これは別に言っても仕方ない話だけど、病気なんだ。遺伝性の病気でサングラスをしていないと悪くなっていく。そのためにずっとサングラスを付けるようにしてるって話」


「…そうなんですね」


「まぁ…仕方ないことだけどな」


遺伝性の病気だから、こればっかりは仕方ない。失明だけは避けたいが。




そんなこんなでゴミ捨て場までたどり着き、捨て終わると長倉姉と別れた。


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