表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/113

3

「リア、明日行ってしまうのか」


人一倍、リアリスを可愛がっていたお祖父様が

リアリスの隣でしょぼくれている。


若い頃は名高い軍人として知られていたお祖父様は

年のわりにはガッチリした体格だ。

そんな大きな男性が今は身体を小さくしてリアリスを見ていた。


「お祖父様、心配しないで?私、絶対に従女になってみせるから!そしたらお給金から毎月仕送り沢山してあげるからね!」


お祖父様を元気づけようと大袈裟にガッツポーズをしてみせた。


いつもより少し豪華な料理が並んだ食卓を囲んで

リアリスとその家族は遅くまで楽しく過ごした。



送別会が終わり、リアリスが部屋に戻った時

部屋のドアをノックする音が聞こえた。

扉を開けるとお祖母様が立っていた。


「リアリス、ちょっといいかしら。」


普段から物腰の柔らかいお祖母様は、なにやら箱の様なものをリアリスに渡す。


「これはね、私がまだ若い頃に友人からいただいた物なの。」


「開けてみていい?」


お祖母様は頷くとにっこり微笑んだ。


箱を開けてみるとそこにはとても綺麗なブローチが入っていた。


「わぁ!とっても綺麗!」


貧乏男爵家で育ったリアリスは普段お目にかかれないような豪華な物だと見ただけで分かるブローチだった。


「これは私の親友だった方がお嫁に行く時にくださったのよ。」


お祖母様は遠い目をして懐かしむような表情をしていた。


「リアリスが王宮に入るなら持って行ってちょうだい。」


「でも、お祖母様。その親友の方ってどなたなの?」


「王太后陛下よ。」


「えっ!」


いきなりの爆弾発言に一瞬動きが止まったリアリス。


「私と王太后陛下は文通相手だったの。確か13歳くらいだったかしら、王都へ家族で行った時にお茶会で知り合ったご令嬢が今の王太后陛下なの。」


そう言えば、お祖母様の実家は優秀な文官を何人も輩出した名家だったっけ。

そんな名家のお嬢様がなぜ軍人のお祖父様と結婚したのか不思議に思って小さい頃聞いた事があったなぁ。

お祖父様がお祖母様に一目惚れしてプロポーズしまくった話にはちょっと引いたけど。


「文通は王太后陛下が嫁ぐまで続いたから4年くらいかしらね。」


「そんなに続いたのね。」


お祖母様は頷く。


「ええ、4年の間に私達には固い友情が芽生えてね。何でも話せる親友になれたの。でもね、当時王太子だった前の国王陛下の元に嫁いだら文通も出来なくなるからって。最後の手紙と一緒にこのブローチが届いたの。一番大切にしているブローチを貰ってほしいと。そして何か困った事があったらそれを付けて会いに来てほしいと書いたあったわ。」


お祖母様は箱に入ったブローチをそっと見つめた。

「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただきありがとうございます♪


作者のぎゆりです ٩( 'ω' )و


調子良く執筆が続いているので

第3話更新しちゃいました!(笑)


リアリスの家族は

父・母・兄・祖父母・リアリスの6人。

ハミルトン男爵家の使用人は

執事長、メイド長、メイド、料理番の4人。

ちなみに全員家族と言う設定です。

執事長…父、メイド長…母、メイド…娘、料理番…息子

こんな感じかなー?とゆるーく設定しております。

なので、今後変わっちゃう事があるかも。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ