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「こっちはよしっ!あとは箪笥の中ね。」


無事に面接(のようなもの)に合格したリアリスは

これから住むメイド塔の自室にいた。

王宮にはこの様な塔がいくつもあり、働く部署によって振り分けられている。

メイドと従女が住まう塔は、王族が住まう宮殿の近くに配置されていた。


「私から騎士団には伝えておくわ。」


兄・ウォルフにはメイド長から合格を伝えてくれるそうなので、私が行かなくても良いだろう。

リアリスは実家から持ってきた少ない荷物の整理をしていた。


メイドの部屋は2人部屋で、ベッドと机、箪笥が2つずつ置いてある簡素だが綺麗に整えてあり住みやすそうな部屋だ。

嬉しい事に、お風呂場までちゃんとある。

魔力がこもっている石がはめ込まれた蛇口をひねれば、お湯も出てくる。

魔石は大変貴重なので、これを全ての部屋につけるとなると気の遠くなる金額になるがさすがは王宮だ。

至れり尽くせり。



一緒に住む事になるメイドには、仕事中という事でまだ会っていない。


どんな人だろう?


チラッと同室者の机を見ると、可愛い小物が綺麗に並べてある。


きっと綺麗好きな子なのね。

それと女の子らしい人なのだろうか?


まだ見ぬ同室者はきっといい人なのだろう。

とリアリスは思った。


メイドの仕事は明日からという事なので、荷物の整理が終わったら王宮探索に出かけようと思っていたリアリス。

元々荷物も少ないので、あっという間に終わりメイド塔の廊下を歩いていた。


メイド塔を抜けて隣の従女塔との間に、小さな庭園を見つけた。


「あら、なかなかいいお庭だわ。」


2人がけのベンチにそっと腰を下ろす。


あたたかい陽射しが降り注ぎ、そよそよと風が吹いた。

そっと目を閉じてリアリスは考える。


早く従女になる為には、どこのメイドになるのがいいだろうか?

偉い方々の目に触れる場所…。


掃除?

いいえ、掃除は洗濯は偉い方々の居ない時にするものだからダメよね。

では、台所?

それも偉い方々はいないわね。


「うーん…」


考えすぎて、知らぬ間に声が出た時

リアリスは背後に人の気配がある事に気づき振り向いた。


そこには見るからに地位の高そうな男性が立っていた。


「あれ?今日は先約がいるのか。」


銀色の長髪をサラりと靡かせた、長身で色白の男性。


リアリスは思わず立ち上がりお辞儀をする。


「いや、いいんだよ。そのままで。」


座れと手で合図する男性は、ゆっくり近づいて来た。


「いつもこの時間はみんな仕事をしているから誰もいないんだけど、君は従女じゃないの?」


近くで見ると髪より少し薄い銀色の目をしている。

あまりの美しさに呆けていると、その美しい男性はクスクスっと笑った。




「貧乏男爵令嬢は従女になりたい」をお読みいただき

ありがとうございます♪


作者のぎゆりです⸜( ´ ꒳ ` )⸝♡︎



さて、リアリスの自室にあるお風呂場。

蛇口に魔石がはめ込まれている設定ですが

この世界には電気もガスもありません。

なので、お湯を使いたい時は魔石のはめ込まれた蛇口をひねるかお湯を沸かすかのどちらか。

もちろん平民はお湯を沸かして使いますが、さすがは王宮。

王宮内の各部屋には魔石がはめ込まれた蛇口がついている設定。


リアリスの実家のハミルトン男爵家にもありました。

しかし、大変貴重なので全ての部屋に付ける事は出来ないので主寝室や客室などの限られた場所にしか付いておりませんでした。

なので、リアリスの王宮の自室は

リアリスにとってとても素晴らしい設備という事になります。




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