序 章 初志
部屋の中には、少しずつお金を貯めて買い、参考にしてきた様々な小説の単行本が置かれており、机の上にも黒髪のキャラクターのアクリルスタンドがいくつか点在している。
俺はパソコンの画面を見つめながらキーボードを打つ。書き終えた文章をコピーして小説投稿サイトに貼り付け、その後、投稿ボタンを押す。
これは機械的な作業だが、ある意味では頭を空っぽにして作業できるので、俺はこの感覚を嫌いではない。
机の前では照明を点け、十分な明るさを保っている。もしかしたら暗闇で作業するのが習慣になっている人もいるかもしれないが、俺にとって視力が悪くなってしまったら困るだけなので、目をきちんと守ることを選んでいる。
すべてのアップロード作業を終えると、俺は自分が画像編集ソフトで簡単に作った表紙を見つめ、まるでそこから過程の思い出を吸い取ろうとするかのようにぼんやりする。
『夜空と君の星光物語』。
それは俺が初めて完成させたロボット作品だった。いわゆるロボット作品とは、巨大なロボットに乗って戦う物語のジャンルだ。
ある友人と出会った際に、そのまま相手に沼へ引きずり込まれたことで、俺はロボットという題材に興味を持ち、この二次創作の物語を書き始めた。
高校生の頃から小説を書き始め、すでに数万字に達する作品を何作か完成させていたものの、それらは単に文字数を積み重ねて一冊の単行本ほどの量にしただけで、本当の意味で一冊分の重みを持つ物語を書けたとは到底言えなかった。
しかし、この作品を書いている時、俺は研究しながら様々な試みを行い、最終的に初めて、完全な構成設計に基づいて一つの作品を書き上げた。
俺は物語のキャラクターが好きだった。特にヒロインは、本当に特別なくらい可愛らしい。クーデレタイプのヒロインは、比較的内向的な性格である俺にとって、ひときわ魅力的だった。
戦闘のクライマックスには俺が注ぎ込んだ情熱が表れており、締めくくりとなる場面もロマンチックだった。今の俺からすれば、いくつか反省すべきところはあるものの、全体としてはやはりかなり好きな作品だ。
俺は大きく伸びをして、完成後の束の間の穏やかな時間を味わう。
長時間のアップロード作業によって頭が少し熱くなっており、左手もキーボードのショートカットキーを操作して何度もコピー&ペーストを繰り返したせいで、少し痛んでいる。
『書き終わってアップロードしたよ。今回は特に達成感がある気がする』
俺はロアン兄にメッセージを送る。ほどなくして、読書の進行状況を示すアイコンが会話の下へ移動し、相手からの返信が届いた。
『おお──! 本当におめでとう。まさか本当に書き終えるとはな』
『これを書けたのも、全部ある人のおかげだよ』
俺は微笑みを浮かべながら、文字を入力する。ロアン兄は俺が高校三年の三学期に創作プラットフォームで出会ったネット友達だ。彼のファンタジー作品を読んだ後、俺は我慢できず作品欄に長々と感想を書き、さらには相手に個別メッセージまで送り、小説の書き方について教えを乞うた。
自分の行動はあまりにも唐突だったと思っているが、それがきっかけで俺たちは知り合うことになった。俺はせいぜい数か月前の自分を恥ずかしく思う程度で、そんな行動を取ったことを一度も後悔していない。
他のよくいる創作者とは違い、ロアン兄は他人に自分の作品を読んでもらうことに執着せず、むしろ物語を書く楽しさを味わっていた。書きたい時には書き、書きたくない時には他の好きなことをし、人と話し合ったり研究したりすることも嫌がらず、いつも俺の疑問に真剣に答えてくれた。俺にとってロアン兄は、師匠のような存在であるだけでなく、頼れる兄貴分であり、親友でもある。
彼が登録しているプロフィールによれば、居住地は外国なのに、それでも中国語で俺と会話することができる。今になっても、俺はインターネットの発達によって生まれたこの繋がりを不思議に思っている。
俺の言葉を聞いたロアン兄は、文字で「ははは」と笑った。実際の声がどんなものなのか俺には分からないが、勝手にアニメの爽やかで快活な兄貴分タイプのキャラクターの声を当てている。
『それじゃあ、次の作品は? 何か予定はあるのか?』
その一文を見て、俺は思わず気持ちが昂る。
ロアン兄は、俺が一つの作品を完成させたからといって立ち止まることはないと、よく分かっている。ある偉大なアニメ監督は、こう言ったことがある。自分にとって最高の作品は、永遠に自分の次の作品なのだと。
俺は一旦両手をキーボードから離し、水筒の中の水を何口か飲んでから答えた。
『まだ決めてない。でも企画を考えることも一種の練習だし、その時になればきっと結構面白く感じると思う』
『そうか。確かにいかにもお前が言いそうなことだな』
『ん?』
俺はこの一言で困惑を示した。ロアン兄はすぐに答えを返してくる。
『いろんな過程を練習や鍛錬として捉えるところだ。なんていうかな? 前にも話しただろ、百合アニメのこと』
百合アニメとは、俺が以前ロアン兄に、自分は二人のアスリートをダブル主人公にして、互いに競い合いながら成長していくアニメが好きで、さらにはそれを見て涙まで流したと話したものだ。
俺が一通りストーリーを説明したところ、ロアン兄は、聞いている限りではこの作品の本質は百合ではなく王道少年漫画であり、だからこそ様々な必殺技や、二人の主人公が互いに競い合いながら成長していく展開があるのだと言った。
言い換えれば、ロアン兄は俺が根っからの王道漫画の主人公タイプの創作者だと考えているのだ。
現実では本当の主人公になることなど難しいため、俺はこの繋がりを不快には思わず、むしろ少し誇らしく感じている。
『だって俺には何の才能もないから、分析と鍛錬を通して自分を成長させるしかないんだ』
これは俺の本心だった。俺には他の人のように素早く物語を考える能力がなく、アイデアを考える時も他の要素へ繋げることが得意ではない。子供の頃には、自分が創作者の道を歩むことなど到底あり得ないとすら思っていた。
それでも、どうしても物語を書くことを諦められず、同時に自分の能力不足に対して強烈な悔しさを感じていた。それならば、自分を鍛える方法を探すしかなかった。
執着──それはロアン兄がかつて俺に教えてくれた評価だった。
彼は、俺にはこのことに全身全霊を注ぎ込むような執着があると言った。そして彼自身には、そんな執着はないのだという。優れた作品を創作できるロアン兄にすらない能力。それが俺にもたらしたものは、誇りというよりも、最後に残された俺の自尊心と抵抗だった。この感情さえ失ってしまったら、俺は自分がいったい何のために生きるべきなのか分からなくなる。
『何はともあれ、お前がこうして一歩ずつ前へ進んでいるのは事実だ。作品に注ぎ込んだ情熱と努力は、絶対に嘘をつかない。誇るべき時には、思い切り自分を誇っていいんだ』
ロアン兄の言葉が俺の心に届き、胸の中に温かなものが広がる。
礼を言いたかったが、ロアン兄の国の習慣では、普通の友人同士のやり取りでは礼を言わず、それほど重大な恩を受けた時にだけ感謝するのだという。だから俺は、黙って感謝を胸に抱きながら、その言葉を受け取った。
『そういえば、もう一冊分を丸々完成させたんだよな。練習作じゃなくて、本当の作品を。それなら次は初心に帰って、もともと自分が書きたかったジャンルを書いてみたらどうだ?』
これまで俺は練習するつもりで創作してきた。たとえ一部の内容が上手くできていなくても、それを練習中には必ずある妥協として扱い、そのまま放置していた。しかし今回完成させたロボット作品では、ようやく一つの完成された作品としての気迫と基準で創作することを実現した。
初心に帰る……か。
俺は思わず、最初は自分が心から面白いと思える恋愛作品を書きたかったことを直感的に思い出す。
過去に書いた文章は、今から見ればあまりにも酷いものだったが、それでも確かに創作を始めた時から抱いていた憧れだった。
恋愛物語──もしかしたら、試してみてもいいかもしれない。
今の俺なら、もしかすると一冊分の完成された形で書き上げられるかもしれない。
『もう少し考えてみる。でも初心と言うなら、俺は恋愛作品を書きたい。そっちの方向で考えてみるよ』
この文章を打ち終えたことで、それは同時に自分の段階的な目標を立てることにもなった。
それに対するロアン兄の反応は──
『おう。頑張れよ』
俺は両手で自分の頬を軽く叩き、それから思わず窓の外へ目を向ける。
集合住宅の建物の隙間から見える夜空。その純白の月もまた、静かに雲の中からゆっくりと姿を現していた。




