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第1話 ジェネシスの世界へ

2026年8/1スタートです!!!


この物語は、一人の少女が見る不思議な夢から始まります。


夢と現実。

絶望と希望。

そして、まだ出会っていない二人の運命。


もし、夢がただの夢ではなかったとしたら――。


 ◆


アオイは夢を見る少女だった。


彼女が見る夢は、どれも現実と見分けがつかないほど鮮明だ。


夢なのか、それとも本当に存在する世界なのか。


その答えを、アオイはまだ知らない。


今朝も目を覚ますと、そこは「ジェネシス」と呼ばれる世界だった。


若草で編まれた柔らかなベッドに体を預けると、草花の香りが胸いっぱいに広がる。


優しい風が頬を撫で、小鳥達のさえずりが静かな空へ溶けていく。


この世界を満たす「起源の力」は、不思議な温もりを宿していた。


心の傷を癒やし、失いかけた希望をそっと包み込んでくれる。


「ありがとう……神様」


アオイは静かに祈る。


現実では胸の奥に渦巻いていた苦しみも、この世界では嘘のように消えていく。


自然と笑顔になれる。


……ずっとここにいられたらいいのに。


そんな願いが胸をよぎった。



アオイは十二歳。


父のダンと二人で暮らしている。


母はアオイを産んですぐに姿を消した。


そのため父は、母の分まで愛情を注いで育ててくれた。


幼い頃の父は、本当に優しかった。


よく笑い、よく抱きしめてくれた。


「アオイは、お父さんの宝物だ」


頭を優しく撫でてくれる大きな手。


その温もりは、今でも忘れられない。


けれど、その幸せは長く続かなかった。


ある日を境に、父は別人のように変わってしまった。


表情は険しくなり、怒鳴り声が家中に響くようになる。


「何度言えば分かる!」


「馬鹿野郎!」


アオイは何度も謝った。


「ごめんなさい……」


けれど、その言葉は父には届かない。


叩かれる。


突き飛ばされる。


体が痛い。


苦しい。


怖い。


……どうして?


心の中で何度問いかけても、答えは返ってこない。


助けて。


誰か助けて。


意識が遠のき、視界が暗く染まっていく。


その時だった。


眩い光が世界を包み込んだ。


光の中には、一人の存在が立っていた。


その姿は輝きに包まれ、顔は見えない。


けれど、不思議と恐怖は感じなかった。


むしろ、どこか懐かしい温もりを感じる。


優しい声が静かに響いた。


「未来の勇者よ」


「早く、この子を見つけなさい」


「このままでは、この子の魂は深く傷ついてしまう」


「あなたとの出会いに、この世界の未来がかかっています」


その頃――。


少年ラックもまた、同じ夢を見ていた。


「また、この夢か……」


額の汗を拭いながら、ラックはゆっくりと起き上がる。


夢の中では、誰かが助けを求めていた。


姿は見えない。


それでも悲しみだけは、胸が苦しくなるほど伝わってくる。


「助けて……」


「早く私を見つけて」


夢から覚めても、その声だけは消えない。


……忘れてはいけない。


そんな気がした。


自分には、果たさなければならない役目がある。


「君は誰なんだ」


「どこにいる」


ラックは夢の中で、見えない少女を探して走り続ける。


必ず見つける。


必ず助ける。


その強い想いだけを胸に抱いて。


運命の歯車は、静かに動き始めていた。

第1話を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は、アオイとラック、それぞれの「始まり」を描きました。


二人はまだ出会っていませんが、不思議な夢を通して運命は少しずつ動き始めています。


「ジェネシス」とはどんな世界なのか。

神が語る「未来の勇者」とは誰なのか。

そして、アオイは救われることができるのか。


次回から物語は少しずつ世界の秘密へと近づいていきます。


ぜひ、これからもアオイとラックの旅を見守っていただけたら嬉しいです。

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