2人の戦闘と聖職スキル
モンスターの初討伐を終えた俺は今の戦闘を見ていた2人の元へ合流する。
「おぉ!ヨウリンすごいな?!初心者とは思えないほどの身のこなしすぎて全然目で追えなかったぞ?!俺よりVRゲーム始めたの遅かったのにゲーム美味すぎでしょ?!」
「ヨウリンすご?!このゲームの攻略を上げてる人の動画結構見てるけどそんな動き見たことないしそんな魔法最初から持ってるの強すぎでしょ?!」
2人の元へ戻った俺は賞賛の声をもらった。
たしかに14sで初戦闘を終えるとは思ってもいなかった。初戦闘だからもう少しゆっくり戦った方が良かったのか?テンション上がってそれどころじゃなかったからまぁいっか!
その後、周りにも同じモンスターが数体周りにいた事を予め確認していたらしく、俺と交代する感じで2人も各々戦闘へ出かけて行ったため、2人を観察することにした。
―――約1分後、戦闘を終えた2人が俺の元へ戻ってきた。
「2人ともお疲れ様。ルカもヨウスイも戦闘はどうだったか?」
「うん!楽しかったよ!最初にやってた時はちゃんと戦闘したこと無かったしヨウリンの戦闘見たら、私も頑張らなきゃなって思ったしね!」
「おう!めちゃくちゃ楽しかったぞ!でも、ヨウリンの身のこなし見たあとだとよりあの動きが難しいんだなって実感したよ……」
2人は楽しみながらも俺の戦闘が凄かったと賞賛の声を上げてくれた。
2人ともこんなこと言っているけれど、どちらの戦闘もとてもスムーズと言えるであろう動きだった。
俺は2人の戦闘を振り返る。
瑠莉香の方はジョブが魔道士であるため魔法が基本的な攻撃手段である。戦闘が開始すると、俺と同じようにゴブリンが突撃してきたため、避けようとしたが機動力が足りなく、少しダメージを食らってしまった瑠莉香は、少し離れた位置に移動してから反撃としてバランスボール程の大きさの火球を作り出し、ゴブリンに攻撃。するとゴブリンは倒れ攻撃としては一撃で終わらせ、戦闘時間は42sという1分切りという短さだった。
仁斗の方はジョブが鍛冶師であるためハンマーを使った戦闘をしていた。鍛冶師は武器を作ったりするジョブだと思っていたが、このゲームは基本的に戦闘ができないジョブというのは存在していないらしく、鍛冶師でもハンマーを使えば戦闘ができるのだ。
戦闘が開始すると、仁斗は勢い良くジャンプし、ゴブリンの方へ一直線に攻撃を仕掛ける。
すると、ゴブリンもそれに合わせてジャンプをし、お互いが空中でダメージを与える。空中だったためか、あまり大きなダメージがお互い入らなく、そのまま少し距離が開いた。
そこで、また仁斗が攻撃を仕掛けるのかと思っていたが、ここで仁斗は何かスキルを使う。スキルを使うと、仁斗が持っていたハンマーが赤色に光り、また攻撃をしかけに行った。
ゴブリンの目の前まで走り抜け、攻撃を構えると、大ダメージを与え、さっきの空中での攻撃では削れたHPが3割だったのに対し、全て削り切り、ゴブリンを撃破していた。戦闘時間は32sという時間で、こちらも初心者とは言えないような内容の戦闘だったと誰が見ても言えるだろう。
(仁斗が使ったスキルはなんだったんだ…?後で聞いてみるか)
「そういえばさっきヨウスイが使ってたスキルは何だったんだ?急にハンマーが光り出したと思ったらすっげぇ大ダメージ与えてたけど……」
「お!よく見てたな!戦闘する前にスキルを確認してたんだが、俺のジョブで、鍛冶師以外にも【聖職者】ってのもあってよ?その初期スキルが1個しかなかったんだがそのスキルが、【エンチャント】ってやつで、自分とパーティメンバーの装備とか武器とか身体を強化するらしくてな?スキル使ったら攻撃力上昇だの、移動速度上昇だの沢山項目が出てきて、試しに攻撃力上昇を使ったらパワーがゴリゴリにアップしたってわけよ!」
「そういうことだったのか!道理で急にバカ強くなった訳だな」
確かにジョブを初めに聞いた時、鍛冶師§聖職者って言ってたな。聞いてる限り聖職者は相当強そうだ。覚えておこう。
「2人とも!この後どうする?私は今日当番だから家事するために1回落ちるんだけど、2人はもう少し進める?」
「いや、僕も1回落ちようかな。まだ春休みに貰った課題が少しだけ残ってるからね。あれ?ヨウリンは課題終わってるんだっけ?」
「おう!俺は春休みを満喫するために3日位で終わらせたからもう完璧だぜ!!てことで俺はもう少し俺は見て回るとするわ。みんなの進めたいからあんまり先は見ないでおくことにしとくわ」
モンスター討伐を終えることができた俺たちは1度街へ戻り、各々解散することにした。
「いやーーー楽しかった!さすが力入れてるゲームなだけあって思った通りの動きがスルスルできるぜ!」
それにしても本当に凄かった。たかがゴブリン一体との戦闘ではあったが、とても学べたことは多かった気がする。またみんなでゲームやりたいな。
「街で回るのはいいけどどこ行こうかな?」
一人になった俺は何処に行こうか考えつつ、もう一度商店街の方へ戻ることにしたそのとき――――
「そこにいる君!少し僕と話をしてくれないかな!!!少し君とさっき一緒にいた人達とも話がしたいんだ!!」
声をかけられ、後ろを振り向くと、そこには見知らぬ1人の女性が立っていた―――




