120話 勝負あり
ガキンッ!
遅い
遅すぎる
「うわああああ!」
ドコッ!
私は突撃してきた兵を盾で持ち上げ後続の兵を槍で刺す。
最初の衝突からまだ数十秒だがもう10を超える死体が積みあがっている。
実戦経験者だからと期待したが基礎ができているだけで連携も取れていないしそれを補えるだけの技術も力も持っていない。
それに何よりスピードが足りない。
臨機応変に必要ならば自分の判断で動けないと戦場では戦略的にも戦術的にも使えない。
王国兵と同じような状態だな。
「もっとだ!もっと強い奴はいないのか!」
「ひぃ!」
私の声に突撃しようと剣を構える兵が怯える。
「バ、バケモノ!」
ゴンッ!
「バケモノ呼ばわりとは失礼だな。私はただの軍人だよ。まあ蟻から見れば普通の兵士もバケモノだろうがね」
私はそう言いながら振り回した槍で兵を鎧ごとたたき割る。
そう言えば、この程度の兵で通用するなら西部諸国で傭兵でもやってみるか。
屋敷で暇を持て余している奴らにとっても雑魚を踏みつぶすいい練習になるだろう。
「くそっ!くそっ!」
やけくそになって兵達が重い装備を捨てて剣一本で突撃してくる。
もちろんそれらすべて切り倒した。
「そんな、、、」
そんな突っ込んでは死ぬ兵達を見て奥の騎士は絶望していた。
まさかこんなことになるとは、とか思ってそうな顔だ。
ザクッ
騎士達以外で最後の兵を切り倒して言った。
「不公平とか妄言は吐かないでいただきたいですね。だってこんなに切り倒しても10体1の構図には変わりないんですから」
「100人を皆殺しにしやがって、、、今更何を言う!」
「まだ自分の剣も抜いていないのに諦めるんですか?帝都の騎士は忠義に薄いと聞いていましたが最後まで任務を果たす責任感もないなんてがっかりですね」
挑発的な言葉を吐いてみるが追い詰められている相手には関係ない。
どうにか生き延びる方法を探そうとしていて挑発に反応している暇はないのだ。
「こんなの正当な決闘じゃない!明らかな実力差がある!司会!中止だ!中止にしろ!」
呆れた。
100人で1人をリンチしようとして勝てそうにないから相手が強すぎると言って試合を中止にしようとするとは、、、
まあ司会にも第一皇子の息はかかっているだろうし従うかもな。
試合が中止になればそれ以降の殺しは普通に犯罪だ。
帝都では貴族による平民へのあらゆることが合法とされているがそれでもあの騎士は恐らくどこかの貴族のボンボンだ。
皇族である殿下ならともかく同格の貴族である私は手出しできなくなる。
「早くしろ!中止だ中止!」
「わ、わかりm、、、」
ザクッ!
ドサッ
司会が急いで中止の合図をしようとした瞬間、フィールドには騎士全員の頭が胴体と離れて転がっていた。
「勝負ありですね、全員殺したので私の勝ちです」
次回投稿は日曜日です。
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