騎士と竜の娘
一騎の騎士が銀色に輝く鎧に木漏れ陽を受けゆっくりと馬を進めている。馬の歩に合わせて腰の剣をがカチャカチャと音をたてている。
短い黒髪と黒い瞳に白い肌、鼻筋の通った美しい容姿の騎士は穏やかな笑顔で森の小鳥やリスなどの小動物を見つけては口笛を吹いたり、喉を鳴らしたりして、この森で小さな友達に話しかけているように見えた。
このいかにも機嫌の良さそうな騎士の名はハイライン、ギルモア王国の五鬼騎士の一人、火炎の騎士ハイラインだ。国王ゲル三世の命を受け森の奥にある泉に棲む銀竜の討伐にむかうところだ。
※ ※ ※
銀竜の棲む泉を探して、この森を彷徨って四日、もはや食糧も底をつき、鎧の中で腹がなる、心なしか鎧もぶかぶかな気がする。
「腹減ったな?」愛馬を撫でる。
「おまえは良いよな、そこらに生えてる草を食べていれば良いんだから」
愛馬キュラソーは返事をするように鼻を鳴らして首を上げて森の奥を見ると、ひとつ鳴いた。
「何だ? 食べ物でも見つけたか?」馬の目線の先を見ると一軒の小屋があった。
「でかしたぞ、キュラソー、オレの感だが、あの小屋にはきっと優しい人が住んでる、オレもお前もゴハン食べさせてもらおうな」
馬の足を早めて森の奥の小屋に向かった。
※ ※ ※
小さな木の小屋に着くと馬を降りて扉の前に立った、扉の前には薬草や良い香りのする草花が植えられており、その甘い香りが疲れと空腹を紛らわせてくれる。
「住んでるのは女性か?」
私は優しく扉を叩いた「もし、どなたかいらっしゃいましたら、少し休ませて頂きたい」
しばらくすると扉が開く「どちら様?」その瞬間私は恋に落ちた、いや私達は恋に落ちた。




