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58.夜行(3)

「こんな話をしてるけど夜行列車って乗ったことないんだよね俺。トモは?」

「僕もない。」

「乗ろうにもほぼ走ってないしね。」

「『夜汽車』を運転するイベントは時折実施されるけど。」

「でも、それって既に移動手段じゃないでしょ。」

「うん。列車で夜を過ごす雰囲気を味わうっていう企画だね。」

「普段使いできる夜行列車が欲しい~。」

「って言うほど利用しないでしょ、多分。」


「モーダルシフトってのがあるじゃない。」

「唐突だね。」

「夜行バスも夜行列車にシフトとかすれば良いのに。」

「バス業界の反発必至だよ。」

「やっぱそうなるよね。」

「それに、シフトしようにも夜行列車が走ってないし。」


「夜行列車を再開しましょうって政策にはならない?」

「ならない。そんなのよりも、ローカル線とかバス路線とかの赤字の方が切実でしょ。」

「ああ、そうだね。」

「それにモーダルシフトっていっても、当初の目的は温室効果ガスの排出量削減なんで、貨物列車とか船の振興策ってわけじゃないからね。」

「あ、そうだっけ。」

「そう。だから貨物列車とか船に直接補助をしてるんじゃないよ。」

「そうなの?」

「荷主や輸送事業者が計画を提出して、それが認められた場合にコスト増加とか設備改善の費用なんかに補助をしてくれるって仕組み。」

「面倒だしショボい気がする。」

「ショボいって…。その少しが後押しになる場合もあるんだから。」

「そうなんだろうけどさぁ。」

「夜行列車の復活に補助を出そうとした場合、どういう枠組みならばみんなが納得できるか考えてみたら?」

「うわぁ、レポートの課題より難しい。」

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