255.旅行記(5)
「アジサイ綺麗だったね。」
「曇ってたけど雨は降らなかったし、アジサイ見物には良い天気だった。」
「『アスカルゴ』っていうのは飛鳥山とエスカルゴをかけたネーミングだったんですね。」
「格好も動きもカタツムリっぽかった。」
「ところで、俺はもともと午後の授業は無かったんだけど、ふたりは大丈夫だったの?」
「ボクは、えっと、友達に協力をお願いしちゃいました。」
「僕も自主性を重んじさせていただきました。が、抜かりなく友達に諸々の対応を依頼済み。」
「トモにも友達いたんだ。」
「失敬な。再三言ってるのに、こんなに社交的なトモくんを、いまだに認めてくれないとは。」
「遮光土器なトモくん?」
「正しくは遮光器土偶ですよ。さっき見た博物館の土器と土偶が混ざりました?」
「えっと、それはともかく、昼食のあとはどうする?紙の博物館にも行ってみる。」
「せっかく時間を作ったんだから行ってみたいです。」
「僕もそれで良いよ。それから『北とぴあ』の展望ロビーに行って新幹線を見よう。」
「いえいえ、その前に渋沢資料館にも行きましょう。是非行きましょう。」
「えらく乗り気だね。」
「昨夜予習してて、旧渋沢庭園の建物とか素敵だったので。」
「俺は構わないけど、トモも良い?」
「良いよ。今日はアカデミックな一日になりそうだね。」
「学校は休んじゃったけどね。」
「展望ロビーから新幹線良く見えたね。」
「良い写真が撮れました。」
「晴れたら遠くの山々も綺麗に見えるんだよね。」
「今度はそういう日に来てみようと思いました。」




