野球部の秘策と内容は気をてらない
「そうだ! その手を使おう!」
俺はそう言葉を発した。
阪田さん達は一瞬にして俺に注目をする。
「ど、どうしたんや? 急に大きい声だして」
動揺した阪田さんがそう質問を投げかける。阪田さんが驚くのも仕方の無い事だ。急に友人が大声を上げ立ち上がったのだ。悲鳴をあげられなかっただけマシと思おう。
「いい案を思いついたんですよ! この悩みを打開する」
妙案を思いついた俺はテンション高くそう言う。
「へぇ〜、それでその案って何?」
俺の大声にも怯まず変わらぬトーンで折原がその案について返す。
「私も気になるわね? 鈴木くん」不敵な笑みを浮かべる千葉さんはそう言い、俺の顔を覗き込む。
その千葉さんの表情に気が引き締まり言葉に詰まりながらも俺の考えを話す。
「その、できるか分からないですけど、入部試験をすればいいんじゃないかなって」
「入部試験……ですか?」
大村先生は首をクイッと傾げその先を聞こうとする。
「はい、この前ニュースで見たんですけど、野球部の名門校だと入部試験をして、入部人数を絞るって聞いて、それを使えないかなって……」
陰キャ特有の早口で周りを見ずに説明をしてしまい、俺が気づいた時には阪田さんや千葉さん、折原それに大村先生もポカンとしており、数秒の沈黙が過ぎた。
その空気感に俺の案は不可能なのではないかと思い始めた。
「あの、もしダメそうなら――」
「いや! いい案やん!」
阪田さんのパッと晴れた声に俺は安堵する。
「えぇ、そういう事なら問題無く断れそう……でも入部試験の理由は……」
大村先生の俺の案に乗り気だったが1つの問題に引っかかる。
「そんなの、入部希望者が多いから、部活に入りたい人を絞るって言えばいい話じゃない?」
その折原の発言で大村先生の不安のタネは消え去る。
「えぇ、それなら野球が好きな同志も見つかるわね? ナイスアイデアよ、鈴木くん」
千葉さんにも、笑顔が戻り俺達は次のステップへと進むことが出来た。
「それで、試験はどうするのよ? 野球部なら遠投だったり、バッティングとやれる事が多いと思うけど」
次のステップへと進んだが、折原の指摘通りまだ未確定なところも多かった。
「フフッそれなら問題無いわ、試験内容は決めてしまったもの」
千葉さんの返答に部室にいる全員の視線が集まる。
「私たち野球部が行う試験、それは野球クイズよ!」
千葉さんの考えた試験内容が今まで見てきていた千葉さんにしてはあまりにも普通すぎてしまいしばらくの沈黙が訪れた。




