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「あぁ、阪田さんもお疲れ様です」

「んっ、おつかれさん」と阪田さんは片手を上げ曇りない笑顔を向けると俺の後ろから声がした。

「あ、あの……」

その声の主は俺の体に隠れるほど小さく細く震えた声で阪田さんへと話しかけている。

俺がスっと体を捻り声のする方へ振り返るとその小さな体が俺の体の影からスっと現れた。

「おぉ! 平野ちゃんやん? どうしたんや?」

阪田さんは分け隔てない明るい態度で平野さんに話しかけるが平野さんは俺を遮蔽物として利用し話を続ける。

「なんで、動かへんのや?」

阪田さんの単純な疑問が俺へと投げかけられる。だが、俺はその返答をする事が出来ずにいた。それは俺が平野さんが前へ出ない理由がわかった上でのものだ。俺は平野さんの気持ちがよくわかる。

阪田さんは良かれと思って明るく声を張り接しているのだろうが陰キャよりの人からすればそれがキツイのだ。

それは、俺もそうだが、同じ陰の者の平野さんにも言えることでもある。

そしてもう1つ陰キャにキツイことは相手が傷つく正論を極度に飛ばせない事でもあり、この手の質問をされること自体陰キャの俺にはキツイ。だからこそこういう時陰キャは「あっはは……」笑って誤魔化す。

「あ、あの阪田さん……昨日は……ありがとうございました……」

平野さんが勇気を絞り阪田さんへ話しかけるが阪田さんはグイッと首を傾げる。

「昨日?」

「あの、昨日……は私が作ったピンチを……」

そこまで言われた阪田さんは「あ〜!」と声を出して言うと首を戻し笑顔を平野さんに向ける。

「かまへん、かまへん? あん時は必死やったから」

そう笑い飛ばす阪田さんはやはりすごいなと思いながら2人の会話を見つめる。


そんな賑やかな雰囲気の隣で1人黙ってジュースを飲む折原を見つけると俺は折原の所へ行き話しかける。

「おつかれ? 折原」

「うん、おつかれ」

その対応に俺は少し違和感を覚える。いや、いつも通りかも知れないが、昨日の事を思えば今日もパーティーで盛り上がるはずだ。

しかし、今の折原を見るにその様子は部活中のローテンションな時と大差ないのだ。

「折原? 今日いつもよりテンション低いけど何かあった?」

「ううん、別にないわよ」

そう平然と装うがその変化は1目両全だ。

俺が折原の違和感を感じとり見つめていると阪田さんも折原の元に来た。

「なに、二人でやってるんや?」

茶化しにというか俺と折原のパーティーにはそぐわない空気感を感じ取ったのか阪田さんが近づいてきた。


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