表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アレステリア国物語  作者: 鳩峰浦
第三章 その手を離さないで/never let me go
121/121

24 島間交流6/異常、肥大化

 しかし、不思議な行事だな。

 島間交流、か。


 やっぱり、こういう、みんなで騒ぐようなのは、苦手だ。


 そう考えると、警邏官学校は、こんな騒がしい行事はなくて、過ごしやすかったな。無駄がなかった、というか。


 教師も、生徒達に完全に自由にさせている。

 だから、こんな風に抜け出して、森に潜っても、何も言われないし、怪しまれもしない。


 まぁ、そもそも、生徒達はこの行事を異常なほど楽しみにしているから、自分のように、抜け出す、何てことが想定されないんだろうけど。


 そして、やはり、これは想定どおり。

 舗装された林道から少し藪の中を進むと、そこに広がる、異様な光景。


 いや、これは自分の「調合・分析する力」が見せてくれる世界であって、他の人が見てもそうとは気付かないだろうけど。


 植物達の、異常発育。


 明らかに、定型発達から逸脱し、肥大化やアンバランスな部分的成熟、そしてその負担により枯れる。

  

 特に気味が悪いのが、雌しべ、雄しべの肥大化。これは一体。

 

 サンプルを採取して、保存用の皮鞄の中に入れる。


 陽光島のサンプルと合わせて分析してみなくては。


 「一人歩きは危険ですよ?」

 

 心臓が飛び出るかと思った。


 振り向くと、いつの間にか、そこには、白銀島の生徒達を引率していた、ファルメテウス氏が立っていた。


 「すみません、自分は賑やかなのが苦手で」

 「たまに、そういう生徒がいます。あなたは、陽光島の転入生の子ですね。お名前は?」


 「スパナ、です」


 「スパナ君、この辺りは、大きな蝙蝠が出ます。そろそろ日も沈みます。危険ですから、一緒にみんなの所に戻りましょう」


 ファルメテウス氏は笑顔で、しかし、断ることを許さない、そんな気配を醸しだしながら、そう言った。


 ここで抵抗しても怪しまれるだけだ。サンプルも採れたし、良しとしよう。


 「ありがとうございます、実はちょっと道に迷って困っていたんです。学園の方に連れて行っていただけたら嬉しいです」

 

 もちろん、とファルメテウス氏は優しそうな笑顔を浮かべた。


 その笑顔を見て、何故か、ひどく不安な気持ちになった。

読んでいただいてありがとうございます!

もしよければ評価★★★★★・ブクマ、感想等いただけたらとっても嬉しいです!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ