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第18話 地球の変遷6


「と言うても、外の流れ、いや地球以外の星の動きは前に説明したから、この地形に関係した話だけやっていくとしよう」

 何枚もあった写真が全部消えて、離れた所に浮いていた世界地図が前にやって来た。


「先ず金星が接近した時の話じゃが、この時は主に2つの災害が発生した。1つは熱水湧出。もう一つは地殻移動じゃ」

 地図の前に30センチ位の青と茶色の球と橙色の球が現れる。


「前にも言うたが、星間雷電流がこの時にも生じておった。じゃが、特定の軌道に乗る迄は基本逆回りをしておるから、地磁気も逆。太陽の話でも言うたが、地磁気は外的要因で逆転する故、昔より弱まっておった地球の方に地磁気逆転が起き、離れて元に戻る迄おおよそ地球を縦に1周する様に電流が走り抜けた」

2つの星にねじれる様な光が走り、地球の方には下から上に向かう強い光と、上から下に向かう弱い光が走る。橙色の球が反対側に移動するにつれ、その円形の光が、縦に長い大陸の方に動き始め、北まで回り込みそのまま非常に大きな大陸を上から下に縦断する様に通り過ぎていった。


「この電流は海嶺の場所で強く流れ、一部の地殻を全て貫いて融解させる程の痕跡を残した。これにより、前回よりは大分少なかったんじゃが、熱水の湧出が発生した。それと同時に南部の海溝、この辺とこの辺で溶岩が活性化した」

 かみさまが地図の方をみせてきて、幅広のアメリカ大陸の左側と、ユーラシア大陸っぽい場所の下側を指差す。さっきの光が走った場所で、最初の強い光が通った2か所からオレンジ色の溶岩が線状に現れた。


「月が接近した時、最初に南極側から亀裂が生じそちらに溶岩が集まっていった所為で、深層部の溶岩はかなり南側に偏っておった。その溶岩が活性化した為、この2か所を主にした海洋性地殻の急拡大が始まっていった」

 幅広のアメリカ大陸左側にあった海嶺から左右に海洋性地殻が広がり始める。しかし上の方はゆっくりで下の方の速度が速い。それはインド洋っぽい場所でも同じで、左右というか左上と右下に大陸性地殻が分かれていって、右側がオーストリア大陸っぽくなった。左側はユーラシア大陸があるのにどんどんソコに向かって行くから、山脈らしき形状がどんどん造られていった。ヨーロッパの方は細かい拡大や分裂、衝突が発生して今っぽい形になっていった。


「もっとも溶岩量が多かったこの付近の噴出はすさまじく、他の海嶺よりも何倍もの海洋性地殻を産み出して行った。しかし、東側にあった大陸に山脈が出来てしまい、押し込めなくなったため、西向きの地殻が広がっていく事となる。この押し出しの向こうにミヨイとタミアラがあったんじゃが、更に西側にあった海嶺がこの押し込みに堪えられず海溝となってしまい、この領域に海洋性地殻が潜り込んでいく下地が出来上がった」

 そして太平洋の方で、ミヨイとタミアラと言われていた大陸がユーラシア大陸に近付いていくうちに、昔の海嶺の部分で海洋性地殻が消えていく様な表現になった。


「本来であれば、海洋性地殻の上にある大陸性地殻は相対的に軽いので、上に重なっても良かったんじゃが、この部分の海嶺は大陸棚の近くにあって水圧分は重かったのも相まって、この大陸の下に潜り込むとという状況になった」

 ミヨイなのかタミアラなのかは判らないが、左側の大陸が海溝に触れるとそのままずんずんと見えなくなっていく。そして、盛り上がった高原の様な範囲がどんどん大陸の奥に向かって行く。そうこうして、いる内にもう一つの大陸が又、海溝にぶつかって沈み込んでいった。

 大陸の内側には、2千メートルの高原、4千メートルの高原がうねるように広がっていく。ユーラシア大陸の下に潜り込んでいった地殻は広範囲に高原を形成していった。


「そうして、最終的に2つの大陸が、こっちの大陸の下に納まっていった」

 見覚えのない大陸があった太平洋が、見覚えのあるほとんど何もない只の太平洋になった。物凄い地殻変動があった所為で、インド洋と太平洋の間の地形が無茶苦茶に変形していたが、どう見ても今と同じ形をしている。


「それからこっちの方じゃが、デカい大陸にぶつかっていった方は、ある程度下に潜り込んで2層になったのち、地殻を褶曲させながらどんどん地盤を押し込んでいきおった。ここに8千メートル級の山々があるが、ここは太平洋から来た地層が重なった場所に、南から向かってきた地殻がぶつかって乗り上がった地形と言う事になる。つまり、大陸移動の終端、収束領域とでも言える場所じゃ」

 かなり大きな高原が形成された場所の奥の方に、もう一段濃ゆい色の高原があったが、そこの南側の地殻が高原の方にぶつかっている。すると、どんどん波打ちながら折り畳まる様に地殻が潰され始めた。そうして、動き終わると今のインドの形になっていた。


「まあ、大体の流れはこんなもんじゃ。大陸2つが海から消え失せたんじゃから水位が減りそうなもんじゃが、それは最初に言うた様に、地下の熱水が補った。まあ、地下の量としては僅かじゃが、地上の水たまりの量としては大陸2つ分より大分多めじゃったから、海岸線は相当変化したようじゃの」


「そういえば、水かさが減ると思ってましたが、熱水湧出がありましたね。ところで、この時って結構人は居たんですよね」


「ああ、当たり前じゃが全ての大陸に数十から数百万はおったぞ」


「それなら、記録もあるんですか?」


「あ、それならそれっぽいのがあるよ」


「ひかる。どんなのだ?」


「ほら、星間雷電流の話でアメリカ大陸やユーラシア大陸に雷が落ちてたでしょ?」


「ああ、ぐるっと一周落ちてたな」


「アレの伝承で、先住民族のご先祖達が雷雨を見たって話があったり、インドの伝記か伝承に沢山の雷の表記があったりしてモノが融解した遺物が大量にあったみたい。それから思ったんだけど、グランドキャニオンって電気が走ったみたいな形状で、地層が電流で蒸発した跡なんじゃ無いのかなって思ったんだけど、あれ、先住民族が見た雷雨の跡なんじゃないかな」


「あー。そのまんま大電流が流れた場所が残ってたり、ソレを見た先住民の伝承が残ってたりしてるんだな。というか、ひかるも分かってるだろ?ココの話はムーだよな?」

 俺が太平洋を指差すと、ひかるが頷く。


「やっぱそうだよね。どう考えてもムー大陸が一夜にして沈んだとかいう荒唐無稽のおとぎ話、だった筈なんだけど、まさかコッチに移動してたとは思わなかった」


「そりゃあ思い付く訳が無い。何だ沈み込むって。重なるって。4千メートルがそんな変化するか?。勿論アイソスタシーの原理なんざ地理の基本だ。がしかし、それが縦の重なりじゃなくて横の重なり、地層の重なり、地殻の重なりって思い付かない。付く訳が無い」


「アイソスタシーの原理って、図形だと棒グラフ形状だもんね。あれ、横向きの地層にしたら、なんで2千メートルの高原がここら辺に広くあって、4千メートルの高原がその奥に広くあるのか、すごい納得感があるんだけど、以前の僕なら絶対それは認めないだろうなー」


「それは俺だって同じだ。ところで、雷雨やムーとかの伝承以外の記録について何かないのか?」


「前に話したヴェリコフスキーの本とか聖書とかに残ってる言い伝えだけど、「山々が動いた」とか「地響きを立てながら地が動いた」とかの表現があるね。これだと、自分達が観測出来るだけの速さとか規模とかの条件内で、目視出来るだけの異変が記録されてる事になると思う」


「それは…動いているのが判らなかったら単なる地震で済む話だよな。でも地殻が動いているというのを遠方の景色か、太陽の角度か、星の見え方の変化か、何かしらの情報を得て「動いた」事を認識出来たから書き記した。ソコに嘘は無かったんだろうけど、俺達は嘘としてしか捉えてこなかった、という事か」


「さて、大体の流れをマクロからミクロ。いや、ミクロとマクロの両方の話から、ぬしゃらの星。地球とやらの大体今現在と同じ様な状況になる迄を話してきたわけじゃが、さて、この先どうする?」


「どうすると言われましても、判った部分はそりゃ沢山ありますけど、判らなかったというかもっと詳しく聞きたい内容が幾つもあったのは事実ですから、その部分を聞いてみたいですね」


「僕はそっちじゃ無くて、僕達の祖先がどういう流れでこの島に住み着いたのとかを聞きたかったけど、かみさま的にはそこまで細かく説明できないんじゃないかという気はします」


「ああ、成程。ツカサの説明は可能じゃが、確かにヒカルの方は不可能じゃな。先程も言うたが、産めよ増やせよの流れで様々な広がり方をしてはおったが、民族には着目しておらんかったからの。おっとここで残念なお知らせがある」


「「?」」


「儂が来る事になった」


「??」

「意味が解りません。別の神様が来るという事ではないんですか?」


「転生の神か否かを最初に問われた時、「いかにも」と言うたがアレは一部正しく一部間違っておった。意味が判るか?」


「えーと、何か変な空間に行った日本人が宇宙人に会って自分は個人の姿だが全員の情報を共有している全体の一部とか言ってたけど、アレに近いのかな?個は全、全は個とかいう表現も有るし、神様は役割別に個体が存在するけど、実質的には全体の意識があってそこと繋がってる端末の様な存在だから、別の役割のかみさまが来るって事ですか?」


「回答としては満点じゃが、どういう意味かは解っておらんようじゃの」


「「?」」



 次回が最終回です。

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