第9話 二つの邂逅
「.....で、兄貴、こっから九州って大分と距離あるけど、どう行く?」
「俺のスキルでも使うか?雷の速度で移動が可能だ、数分もあれば九州には付くと思うぞ」
フィスは困りながら口を開く
「街への被害を考えてみてくれ、もし市街地に人が残ってたら人が死ぬかもしれないんだぞ、それだけは避けたいし、体力は温存したい、だからここは公共機関を使うってのはどうだ?隕石の被害に合わなかった近畿や中国あたりはまだ機能してるだろ、金は...兄貴、頼んだぞ!」
「いや俺負担かよ...少しは負担しろフィス、俺だって数キロを移動できるような貯金を持っていないわけではないが、ギリギリ足りずに歩くのも困るだろう?だから、お前も出せよ!」
そう言葉を発した時少しの沈黙のあと笑い声が響く
「あっはは!!!そりゃそうだ!!!たしかに兄貴の言う通り全負担はダメだったな!!!!ごめんごめん、じゃ、行き先変更して一旦家に帰ろうぜ、兄貴だって貯金持って行っときたいだろうし、スキルは使わず行くんだ、食料もいるだろ?なんたって九州まで何百キロだ。途中で食料が尽きて野垂れ死には笑えねぇ。それに武器だけあっても生活できなきゃ意味がねぇ」
「そうだな、なら走るぞ、時間は無駄にはしない」
そう言いながら2人は西に向かい走り始める
「やっとついたぁぁ!!東京の隣県だからといっても、中心部からだと大分と時間かかるんだな、勉強になったもんだ」
「だが、それでもあの距離を1時間もかからず走りきれたのは基礎体力が上がっている証拠だな、本当に不思議なものだな、まぁ早く支度するぞ、両親は多分避難しているのだろうか、ここらへんと言うより、俺達が通ってきて場所に人気はほとんどなかったからな、止められることもないだろう」
ため息混じりの言葉が漏れる
「止められたとこでどう説明すんだよって話だがな」
「それもそうだな、取り敢えず準備しろ、公共機関を使って行くが停止されてる部分がありその分を考慮すれば、10日〜12日くらいの食料があれば余裕だろう、小遣いと貯金は全部持っていけよ!」
「あいあーい、身分証もいるよな、着替えとかは?どうする?途中から歩くなら日を跨ぐだろ、戦場が近くなりゃ野宿になってくけど、それ以外は流石にホテルとかに泊まりてぇし」
淡々と準備は進んでいき早2時間がたった
「準備できたな、早速行くぜ!九州に!」
「あぁ、だが一応その前にこれを確認しないか?」
ダイスはポケットから女神からもらった水晶を取り出す
「あぁ、確かにあいつの説明にゃ、敵と味方の位置を知れるんだっけか?出る前に確認はたしかに必要だな、うし起動しようぜ!」
ダイスは頷き起動すると空中にホログラムで地図が浮かび上がりたちまち勢力図が映し出された
「ハハッ、なんじゃこりゃ、世界中に赤い点がある......しかも範囲が東京で戦った奴らよりでかい.......ロシアとかエゲツねぇ数落ちたせいで殆どが敵の領域、人間が生きてるかどうかも怪しいくらいには侵食されてんな、だけどそん中で俺達みたいに戦ってるのが青い点だよな、だがロシアにいる適合者は5人だけで十数体の敵を倒せるとは思えない、いつまで持つかだな、俺らも加勢しに行けるほどの力を早くつけないと....」
「あぁ、だが一番やばいのはここだな、ハワイ諸島、女神の説明だと生命力を使い領域を広げ活動範囲を広げるはずだが、ハワイにある程度人口が居たとして、島1つで近くの大陸まで領域を広げれるほどの生命力を集められるとは思えない」
「つまり何が言いたい?」
「こいつがこの中で一番危険だと思ったほうがいいということだな、次に対峙する九州の敵でもそこまで成長はしていない、九州の適合者が食い止めているお陰だろう、だが食い止められていようがいまいが、ここまで成長が早いのは確実になにかある」
「じゃ、あいつの言う通りバケモン倒して早く成長しねぇとな、ほら、世界救おうぜ!俺達で」
フィスは拳を出す
「あぁそうだな」
ダイスはフィスの出した拳にそっとあて歩き出した
その瞬間さっきの水晶が鳴り響く
「急に何だよ!!!!!うるせぇ!!!!」
[警告:強力な生命体が接近中、至急防衛体制にお入りください]
水晶玉はそう叫びながら繰り返す
「防衛体制一体何が起こって.....」
2人が混乱している間に空中が歪みだし黒い影が現れる
《あれが、適合者.....へぇ、食べちゃいたいくらい弱そう》




