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近代乙女怪談物語集  作者: 白百合三咲
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菜の花の女学生第3話

翌日はること琴葉は学校の礼拝堂でお祓いをしてもらった。シスターは過去に学校で起きた事件を教えてくれた。

 大正末期、当時4年生の少女が2つ下の下級生を可愛いがっていた。

 二人の関係は友情を越えていた。二人はこの礼拝堂の前で約束する。

「いつまでも一緒にいましょうね。」と。

まるで生涯の誓いをする新郎新婦のように。2人は指輪の代わりに互いに菜の花を交換しあった。下級生の名前にちなんで。




「あの、下級生って菜々花まゆ子さんですか?そして上級生が水咲夏子さん。」

はるこがシスターに尋ねる

「そうよ。園寺さんよくご存知ね。」


  


 まゆ子が2年生の時縁談話が来た。まゆ子は結婚を決め中退することになった。しかし夏子はそれに応じなかった。まゆ子が学校を去る一週間前のこと夏子はこの礼拝堂に呼び出した。

「まゆ子、考え直して。私達約束したじゃない。」

「私もお姉様のことは好きでも一生はいられないわ。それに私の夫になる人は素晴らしい方なの。お父様はオーケストラの楽団を所持していて彼も楽団で指揮者をなさっているの。お姉様もきっといつか素晴らしい殿方に巡り会えるわ。」

まゆ子は髪につけている菜の花を外す。

「もいいいわ!!貴女は私よりその方が好きなのね。」

夏子はまゆ子を突き飛ばすとそのまま雨の中1人ずぶ濡れになりながら帰った。そして列車の走行音を耳にすると自ら線路に立ち入ったという。






 シスターの話を聞き終わるとはるこは琴葉を連れ礼拝堂を後にする。

「琴葉、お花屋さん寄っていきましょう。」

「はい。」

2人は菜の花を購入し昨日の踏切へと向かう。

「夏子さん、どうか安らかにお眠り下さい。」

2人は夏子のために手を合わせる。

 その時雨が降り出した。

はるこは新しい買ったピンク色の傘をさし妹の琴葉を中に入れて歩き出す。

 駅周辺は人で賑わってる。


「大丈夫ですか?!ずぶ濡れじゃないですか?!」


はるこが振り替えるとセーラー服の少女が袴姿の少女に傘をさしていた。少女の髪には菜の花が翳されている。

「お姉様、どうなさったの?」

琴葉が尋ねる。彼女には見えていないのだろうか?

「貴女にはあの娘がみえるのね。」

はるこの傍らには1人の着物姿の婦人が立っていた。

「まゆ子、お待たせ。」

スーツ姿の紳士が婦人を迎えに来た。

「向こうに車を待たせてある。」

「あなた、今行くわ。貴女フェリスの女学生さんね。夏子お姉様はきっと探しているのね。私の代わりになる誰かを。」

婦人は夫に呼ばれるとはるこに意味深な言葉を残し去っていった。


                 FIN

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