共闘
お久しぶりです。
ここ最近、執筆する余裕が全くなかったです。
〜〜??〜〜
26通路の罠で数人倒した。残りは1人だ、いずれ罠で死ぬだろう。
61通路の方に関しては罠が発動したのだが誰も倒せず逃げられた。しかし、一人だけ残っている。
一人だけ残ったところでどうしようもないと思っていたが違った。
なんだあいつは……
罠や壁など、道中の障害物を全て無視してある方向へ一気に移動しているようだ。
信頼できる仲間の探知魔法によって敵の位置が分かるのはとても好都合だ。これのお陰で常に先回りが出来たりする。
だが、これはあくまで道通りに進む場合のみだ。今回のような一直線で来られては先回りも不可能だ。
遠隔で罠を設置する力はまだ持ってないしな。
「どうするつもり?」
「ここに来るのなら迎え撃つまでだ」
「この辺りまで来たら、俺が行く」
ふっ、頼もしいな。彼ならきっと勝てるはずだ。
来れるものなら、来てみろ。
〜〜リーフィア〜〜
やられた。
まさかあんなトラップが仕掛けられていたなんて思いもしなかった……
フィグラと別れた後、私はグループの仲間に追いついた。そして、そのまま進んでいると先頭の方からカチッと音がした。
私が何の音なんだろう?と疑問を浮かべる前に、先頭の2人が爆発に巻き込まれてた。
近距離で耳が壊れるんじゃないかと思うほどの爆発で先頭の2人が光の粒子になって消えていった。
そこから私のグループが壊滅するまでは時間はかからなかった。
最初に私の隣にいた魔法士の子が混乱して逃げた。そして、別の罠のスイッチを踏んだのか左右から飛んできた矢で貫かれて光の粒子になった。
「ここから離れるぞ」と言って残りのメンバーが固まって移動しようとしたので慌てて止めようとしたけど遅かった。
また別のスイッチを起動させたのかまたもや爆発が起こってしまった。
私は慌てて風魔法で爆風とかを逸らす事でなんとかやられちゃうのを防いだ。
けれど、その結構として私は一人になってしまった。
動こうにもどこに罠があるのか分からないので無闇に動けない。でも、動かないと何もできないので恐る恐る足を踏み出していく。
「……」
一歩ずつ、一歩ずつ慎重に進んでいく。
小さな足音だけが周囲に響く現状に私の精神がだんだんと消耗していく。
わざと罠を踏んだら解放されるのかな?と思いながらも、私は彼の存在を心の頼りにしながら進み続けた。
彼……何よりも大切なフィグラの事を……
でも、限界はある。
集中力を切らした瞬間に死ぬかもしれないという恐怖をフィグラという存在で掻き消すも精神は既に疲労困憊だった。
「フィグラ……どうしたらいいのか教えてよ」
私が何を思ってそんな言葉を口にしたのか分からないけど……私の心がざわついた。
何?と思った瞬間、近くの壁が崩れた。まるで何かに斬られて崩れたかのような……
他クラスの誰か?と思いながら魔法発動の準備をしながら警戒したけど、それは杞憂だった。
「リーフィア、大丈夫だった?」
「フィ、グラ……」
「無事で良かった……リーフィアを見捨てる事、できなかったよ」
どこか照れくさそうに笑うフィグラの姿を見て私は心の底から安心している事に気がついた。
「フィグラ」
「なに?」
「……なんでもない。助けてくれてありがとう」
「? 助けるのは当たり前だよ?」
まだ伝えるには早い。
それに、今はまだ伝える資格がない。
〜〜フィグラ〜〜
リーフィアが無事だった事に安心した。けれど、どこか疲れている様子だったからギリギリだったみたい。
「リーフィア、こっからどうする?僕が来た道なら罠も無いから雑多に安全だよ?」
「フィグラ、私はやられたみんなの仲間の仇をとりたい」
「そっか。ならこの罠を仕掛けた人を倒そっか」
多分、このエリアの中心部に居るはず。何故かわからないけれどそう思えた……
その事をリーフィアに伝えたらそこに行こう、って言ってきた。
「行こっか、リーフィア」
「うん、行こっか」
安心感が凄い。
いまだかつてないほどに安心感と絶対に負けないという気持ちを抱いて、僕たちは進み続けた。
◆
罠の威力や隠し方が変わってきてる事に気づいたのは少し進んだ時だった。
分かりやすいところにダミーの糸が張られており、それを超えた先の地面が本命の罠のスイッチとなってたりする。そんな仕掛けが増えてきた。
罠の内容も先程までなら爆発だったり矢だったりしたものが、毒ガスや上からギロチンのような刃が落ちてきたりする。
どう改造したらこうなるのか気になったほどだね。
でも、危険な罠があるって事はこの先に近づかれたくないって事に違いない。
もし罠で負傷してもリーフィアに治して貰えばいい。即死は流石に無理だけどね。
「フィグラ」
「うん、気付いてるよ」
この角を曲がった先に何か居るのが分かる。人、かな?
まず間違いなく敵なので不意打ちをするか否か……質問したいこともあるし聞けたらラッキーくらいの感覚で行ってみよう。
そう思いながら進み、角を曲がってご対面になる瞬間、リーフィアが叫んだ。
「避けて!」
その声に従い僕は後ろに跳んだ。すると、僕の目の前を熱の塊がかなりの速さで飛んでいった。そして、それは壁にぶつかった瞬間、大きく爆発して壁を破壊した。
「爆破魔法、気をつけて」
「もちろん」
爆破魔法はあんまり好きじゃない。【死の大鎌】で切れない事はないんだけど、上手く切らないと爆発しちゃってダメージを負ってしまうから。
いつ来ても対処できるように構えながら再び角を曲がると、そこには一人の男子生徒が仁王立ちで通路を塞いでいた。……どこかで見たような?
男子生徒の姿に既視感があったけど思い出せない。爆破………分かんないや。
でも、攻撃してきたって事はこっちも遠慮なく攻撃するよ。
僕は【死の大鎌】を双剣から槍に変形させる。すると、男子君は少し驚いた様子を見せたあとに口を開いた。
「スキルか」
「どうだろうね?でも、僕は君を敵だと認識したから無理矢理にでもそこを通してもらうよ」
「やれるもんならやってみろ」
杖を向けてくる彼に槍を構える僕……そして、影から風魔法で不意打ちをかましたリーフィア。
汚い?くだらないと僕は思う。勝てばよかろうなのだ!!
あれを避けてくるようなら……と思ったら、男子君は舌打ちを一つした後その場所から退いた。その際に爆破魔法を使って小型の爆弾ーー見た目は火球なので混乱しそうだねーーをリーフィアに向けて放った。
リーフィアをやらせないよ。やらせるわけがない。
横から爆発球ーー魔法名が不明なので仮称だねーーのど真ん中を槍で貫いて消失させた。上手く出来たみたいだね。
「君じゃ勝てないよ」
「あぁ?」
「なんたって、僕には彼女がついているからね」
リーフィアの魔法があれば怖いものはない。それに、安心して背を任せられる。
「ちっ、惚気か……なら二人まとめて吹き飛ばしてやるよ!」
今度は複数の爆発球を生み出して、時間差でどんどん撃ってくる。まともに一個一個対処していたらいつまで経っても本体を叩く事はできない。
「私が落とす!」
リーフィアがそう言うのと同時に背後から水球が飛んできて爆発球とぶつけて相殺されていった。
これなら、詰めきれる。
そう思って一歩を踏み出したら、嫌な予感が頭をよぎった。
咄嗟にその場から後ろに下がる。すると、先程僕の足があった場所が小規模な爆発を起こした。危ない危ない。
「地雷かな」
「来れるもんなら来てみろ!」
再び爆発球の弾幕が張られる。けれど、リーフィアの魔法によって次々と無効化されていく。
でも、いつまでも続くわけじゃない……地雷がどこにあるのか分からないから無闇に詰められない。
いや、違う気がする。
あの地雷、踏んだ瞬間ではなくほんの少し遅れて爆発した。と、なると今までの通路にあったものも全て彼が仕込んだものになるのかな。
僕はリーフィアだけに聞こえるように話す。
「リーフィア、僕は一気に詰める。そのまま抑えていられる?」
「もちろんよ。でも大丈夫なの?」
「うん、まともに食らっても大丈夫そうだしね。あともう少しだけ頑張って」
「フィグラこそ、ファイト」
そんなリーフィアの声援が追い風のように感じられる。
僕は足に力を込め、一気に駆け出した。
「血迷ったか!」
「さぁね」
僕が一歩を踏み出す。そしてらさらにもう一歩を踏み出し終えた所で最初に踏み出した場所が爆発を起こす。
背中に爆風と熱が襲いかかって焼けそうになりそうだけど、同時に爆風のお陰で加速剤にもなった。
「なっ!?」
驚いているね。
でも、僕自身もかなり危ない状況だ。
少しでも体勢を崩したりすればあっという間にやられちゃうし、まだ距離も少しばかりあるので集中力も必要になってくる。
だけど…ここで終わっちゃったら恥ずかしいし、何よりリーフィアが後ろにいるから、僕は全力を出して進む。
「ちぃ!」
彼は爆発球の弾幕を張るのをやめて、僕だけを集中狙いしてきた。
それらを回避し、槍で無効化し、たまに失敗して爆発を浴びるけどリーフィアの治癒魔法で即座に傷が治るから、恐れず前に進めていける。
そして僕は、もう数メートルの距離まで詰められた。
「っ……は、爆ぜて爆ぜて空気を震わせ」
僕を止められない事にやばいとでも思ったのか、彼は魔法の詠唱を始めた。
この距離でそれは悪手じゃないかな?
「終わりだよ」
僕は槍が届く範囲まで詰めると、一気に槍を突き出した。しかし、その突きはギリギリで避けられてしまった。
その事に彼は笑みを浮かべで詠唱を終わらせた。次に彼の口から告げられるのは魔法名になるけれど、油断したね。
【死の大鎌】は変形させる事のできる武器。つまり、槍を突き出した現状でも変形させることは可能となる。
「僕は大鎌が一番得意な武器なんだよ」
「城爆っ……?」
彼は不思議だろうね。なんたって、急に視界が変わって声が出せなくなったもの。
口をぱくぱくさせながらその首がゆっくりと地面に落ちていく。そして、地面とぶつかる前に彼は光の粒子と化して消えていった。
僕の手には本来の姿である【死の大鎌】が握られていた。
何をしたかは簡単。
突き出した槍を元に戻して、そのまま腕を引いただけ。
その結果、首と胴体がお別れしてしまい彼は痛みを感じることもなくやられた事を自覚することなく光の粒子となったのだ。
僕は【死の大鎌】を解除して、深呼吸を一つしてからゆっくりと地面に腰を下ろした。
彼の敗因は僕のユニークスキルの力を知らなかっただけだ。それに、なんでやられたのかもまだ分かってないはず。
普通に強い相手だったと思っていると、後ろからぎゅっと抱きしめられた。そして、ゆっくりと囁かれた。
「お疲れ様、フィグラ」
「そっちこそ、助かったよ。リーフィア」
二人で互いを支え合うようにもたれかかりながら僕たちは体の疲れを取るために休息を始めた。
これは、動けるようになるまでしばらく時間がかかりそうだね。
誤字脱字があれば報告の方をお願いします。
この作品は不定期投稿なのでブクマをおすすめします
ーー以外雑談、普通に長い時もあるので見なくても大丈夫。
今回は無し!!




