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黒い影の嘆き
途中から亀の歩み並みに遅くなってしまった連載ではありましたが、これにて第二部を完結とさせていただきます。
お付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました!
『無い・ナイ』
黒い影は探す。
大事なモノを。
彼女が居なくなってから、ずっと共にあった忘れ形見がが無くなって、彼は蹲って泣いていた。
あれは、彼が何より大事にしていたものだ。
共に居た影達も居なくなった。
自分は何も悪くないのに。何故、すべて奪われてしまうのか。
『ユルサナイ、』
黒い影が嘆く度に、彼の体から涌き出るモノがある。それは宙を舞い、空を目指し、そして黒い曇となった。
彼の嘆きが深ければ深いほど、暗雲はその広さを増していく。
カレは止まらない
止まれない。




