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「恋をしないなんて可哀想」と言われ続けた私が、感情が全ての力になる異世界で、恋愛感情ゼロゆえになぜか無限魔力を得て魔王と戦うことになった話  作者: きりりんが
第3章: 無色の継承者、学園の試練

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勝負は正々堂々です!

曇り空の切れ間から、細く太陽が覗いた。

――まるで、私たちの勝負をこっそり見に来たみたいだ。


「最初は体力テストだ。このフィールドを周回してもらう。男子は5周、女子は3周が目標だ。では最初はグーデリアンとドレイン。」


呼ばれた2人が列に並ぶ。


「スカーレット!頑張れ!」

「オーディン!負けたらデコピンだからな!」


なんだろう……ダークとオーディン、意外と仲がいい。


「位置について――はじめ!」


オーディンはスタートの合図と同時に全力疾走。

一方スカーレットは、淡々としたペースで走っている。……戦略型だ、これ。


先に倒れ込んだのはオーディンだった。


「グーデリアン、6周。」


発表の直後、スカーレットもすっと足を止めた。


「ドレイン、6周。目標の2倍だ。よくやった。」


2人は肩で息をしつつ、こちらへ戻ってくる。


「はぁ……はぁ……。わたくしの勝ち、ですわね……。」

「ちが……う!同じ6周……だろ……。それに……まだ……アキナたちが残って……る……。」

「2人ともすごーい!スカーレットの温存作戦、効いたね!」

「えぇ……本当によかったですわ……。」


「次。アキナ、コンフィグ。」


う……運動……苦手なんですけど……。


「アキナ、ハンデいる?」

「ひどっ!正々堂々勝負するの!」

「後で泣いてもしらねーぞ?」

「体力勝負なら自信あるもん!」


嘘だ。男子に勝てるほどの体力はない。

でも――剣術部の地獄メニューを一週間耐えた私なら……たぶん……なんとかなる。


「位置について――はじめ!」


合図と同時にダークが飛び出す。


「アキナさん!頑張ってですわ!ダーク様に勝てますわよ!」

「ダーク!お前にかかってるぞ!行けーー!」


走る、走る、走る。もう何周目か分からない。

でも、絶対にダークより先に倒れたくない……!その意地だけで脚を動かした。


「コンフィグ、8周。」


その瞬間、張り詰めていた気が緩んだのか、私はその場に倒れ込んだ。


「アキナ、9周。よくやった。賞賛に値する。」


「あり……がとう……ございます……勝った……。」

「アキナさん!やりましたわ!流石です!」

「くそぉ……でも、ダークもお疲れ。」

「う……うん……アキナ……凄いね……。」


息が整わないまま、他の生徒のテストが続いた。


「全員目標値クリア。次は魔力テストだ。来週からはグループ編成をするから覚悟しておけ。」


グループ分け……どんな組み合わせになるんだろう。


「魔力テストは魔力出量を計測する。使い方が分からない者は挙手。……あ、アキナは特別だから挙げなくていい。」


「はい。」


すると――ひそひそ声がまた広がった。


いや、そりゃ測れないけどさ?

そんな「珍獣観察」みたいな目で見られても困るんですけど……?


「分からない者はいないな。では、ドレイン、グーデリアン、コンフィグ。」


三人が測定器の前に立ち、スカーレットが悪戯っぽくウィンクして見せる。


「放出、始め!」


三人の魔力が一斉に広がった。……綺麗。まるで光が舞ってるみたい。


「止め!」


三人が誇らしげな顔をしている。あれ……めっちゃ自信満々じゃん……?


「……あ?故障か?……まぁいい。ドレイン300Em(エモール)、グーデリアン420Em(エモール)、コンフィグ500Em(エモール)。」


午前中、クリスティー先生が言っていた。

魔術に特化した高校生でも平均は20〜40。


……え、これ軍とかエリート騎士団の領域なんじゃ……?


「わたくしが一番だと思っていましたのに」

「俺もだよ……。ダークってバケモンだな」

「んー、君に言われたくはないかな。420だよ?」

「みんな……すごい……ね」

「アキナさん、あなたが言わないでくださいまし。クラス全員の魔法を消せる方が何を」

「いやいや、この出力量はさすがに消せないでしょ……?」

「午前中、全員の下位魔術消した女が何言ってんだよ!」


……え。もしかして本当に……私、すごかったりするの……?


いやいやいや。ないない。たぶん。


「これで全員だ。解散。アキナは俺と教官室へ来い」


先生のあとをついて教官室へ入る。

雑多に物が積まれ、紙が散らばった空間――あぁ、体育系の先生の部屋ってどこもこんな感じ。


「えーっと……あった。これはエモール吸収係数を計る機械だ。1Em(エモール)を吸収できる能力が1β(ベアタ)だ。初代無色魔法の使い手は300だったそうだ」


へぇー。すごいのかどうか、ピンとこない。


「手を置け。数値が出たら離せ」


言われた通り手を置く。

……私、みんなより低かったらどうしよ。


「離していいぞ。……ん?……嘘だろ?故障……いや、いいや。お前、600だ」


「……………………は?」


二倍……?

初代の?二倍!?

え?私が?


「……今日は規格外ばっかりでほんと困る。まぁ、お前らが悪いわけじゃないがな」


困らせてすみません……。でも……本当に私が600なの……?

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