-街の支援者- 二部
「誰ですか?あなたは」
急に卑しい呼ばわりしてきたでかい二足歩行のでっかいカエルの魔族を見据えて聞いた。
「それは余の玩具じゃ!貴様らが触れていい物じゃないわい!!」
「おもちゃって…まさかこの人のことを言ってるんですか!?」
このでかいカエルに隠れてて見えなかったが、今度は小柄な同じくカエル型の魔族が横やりを入れるかの様にしゃしゃってきた。
「おい貴様ら!このお方をどなたと心得るか!この街に一番多額の寄付を行っているログニー・ホッグマン様であらせられるぞ!貴様ら如きが気安く話しかけてよいお方ではないのだ!!」
「ええぃ!うるさい!お前は黙っとれ!それでお前たちよ、早く余の玩具を返さんか!」
あくまで平和的に話をすすめたいけど…どうしたら。
「いや~、簡単にはお返しできませんね~。こんな状態の人を放ってはおけませんので!」
父さんがあり得ないぐらいに飄々とした口調で身を乗り出してきた。
「な!なんじゃと!?それは余の物じゃ!!余が奴隷商から高値で買ったのだ、何をしようと余の勝手じゃ!見よ!これが誓約書だ!その女は自ら奴隷になり余が買っただけの事じゃ問題あるまい!」
「そうですとも!ログニー様の仰る通りにございます!」
誓約書?契約書とは違うのか?
《内容はただの契約書とは異なり、契約する際に誓約を交わし、その誓約に違反した場合はスクロールに掛けられた魔力により何かしらの罰則があります。故に誓約書とは罰則条件が付いた契約書です》
あ~なるほど…ならどうしようもなくないか?下手に何かしたら逆にこのお姉さんが酷い目にあうんじゃないのか?
「奴隷商で買った…いまそう言ったな?」
父さんが俯きながら小刻みに拳を震わせてる、やばい。
「あーそうじゃ!余が先日この者に奴隷商から買いに行かせたのよ!上玉が入ったと報告があったのでな」
「それは…どんな奴だ」
「知らん、あいつらは毎度顔を深く隠しとるしな、それにそんなことよりそれを返せ!何度いわせるのじゃ!」
「すまんが事情がかわった、この子は返すわけにはいかぬな」
あ、父さんのしゃべり方が戻った。
「こっちにはこれがあるのじゃ!見ておれ~」
ログニーだかっていうでかいカエルが持っている誓約書を掲げると、誓約書が怪しく光りはじめた。
「んんーーーんんんんん!!!」
横の女の子が急に首を掻き毟り始めた、それも生半可な勢いではない。自殺でもしようとしてるかのような勢いで首の肉を爪で削り落としていく。
だがそれだけしても何故か本人は泣きながら下のない口で可能な限りの悲鳴を上げている。
「おい!今すぐやめさせろ!」
「余から逃げて帰ってこぬならもうそれはいらん!ひっひっひ」
癪に障る笑い声を出しながらログニーは誓約書を掲げ続ける。
だが次の瞬間、自分の目を疑った。
隣に居たはずの父さんがログニーの横にいるのだ。
「おいブタガエル…私にも堪忍袋というものがある…ここまで癪に障る奴に会うのも久方ぶりだ、あぁそうだ、黙っていろ喋ったり動くと体重が一気に半分になってしまうぞ?」
「え、なっ……」
父さんがログニーの腹に手を添えている…だけに見えるが違う。
中に血を巡らせいつでも体を分断できるようにしているんだ、あの一瞬でそこまでのことしちゃうとか流石父さん…
「さて、その誓約書をいますぐ下ろせ。さもなくば貴様の腕ごと消すことになるぞ?」
「わわ、わかった!だから待つのじゃ!」
ログニーは渋々腕を下げた。




