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第51話 堕とされた天使

「きゃあ!」


 ルンは激しく吹っ飛んだ。治りつつある過呼吸に構うことなく、僕は倒れているルンに駆け寄り、抱き起こし頭を抱える。


「ルン! ルン!」


 返事がなく、口端から血が滲んでいる。

 そんな……僕は最悪のことを想定しつつ、頚動脈に触れる。

…………脈は波打っていた。想定外で良かった……ルンは衝撃で気を失っているが、おそらくかなりのダメージを負った模様だ。

 ルンの魔装を一撃で打ち破るとはかなりの魔力の持ち主だ。


 いったい誰だ?


 バルサロッサ、御堂テシマ、ベルリッタ以外にも高位レベルがいたのか!?


 僕は白い閃光が放たれた方を凝視した。

 この暗がりでこの距離では、まだ顔は、はっきり見えないが、紫に光るリングを頭上に携えた人物がゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。

 僕にはそのリングには見覚えがあった。いや、知っているのは赤いリングだ。……そんな……嘘だろ……顔が確認できる距離で、僕は愕然とした。


「エルナ……」


 目は虚ろで生気が感じられない。あきらかに様子がおかしい。しかも、紫の光を帯びた尻尾が生えている。僕はルンを横たわらせ、よろよろと立ち上がった。過呼吸は治まりつつあるが、その影響か、身体が重い。


「どうしたんだよ! エルナ!」


 正気に戻そうと呼びかけた瞬間、エルナは猛然とスピードを上げた。一瞬で懐に入られて、防ぐ間もなく鳩尾に掌底をくらった。


「かはっ!」


 僕の体はくの字に曲がる。酸っぱいものがすぐに込み上げ、胃液を平原にぶちまけた。しかし、それを気にするまもなく、二撃目を予想したがエルナが放つ紫炎のオーラが足元から消えた。その代わりに真紅のオーラが視界に入った。


「大丈夫?」


 僕の肩に手をやり、心配そうな瞳で見つめる黒い羽を持つミラン。

 僕は顔を上げ、


「はあはあ、うん……なんとか……」


 正直かなり苦しかったが、強がってみせた。魔装していたのにダメージは半端ない。


「エルナは?」

「蹴り飛ばした。だけど……」


 ミランはそう言葉を残し、険しい表情を作った。


「アレル! ミラン!」


 ベルリッタと交戦していたノーファが隣に降り立った。


「ノーファ、ベルリッタは?」

「すまない。まだ仕留めきれていない」

「あたしもそうよ。イフリートで一気に片をつけてやろうと思っていたけど、あいつの剣も七つの魔のつく武器だったの」

 それだけでミランでも簡単には倒せないということがわかる……。


「おいおい、まだ勝負はついてないぞ」


 テシマが少し距離を置いて、眼前に降り立った。


「そうよぉ~、ノーファちゃんも逃げないでよぉ~」


 馬鹿にした口調で、ベルリッタはテシマに並ぶように着地する。

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