表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移したら賢者、転生して魔王の息子になりました。  作者: 雪国竜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/63

第35話 何で、ここに居るんだろう?

「……ああ、もう朝か」

 僕は窓から差し込む朝日を見て、ようやく朝が来たことが分かった。

 昨日、帰るなり椎名さんに一晩中追いかけられ、僕は一睡もしていない。

 今、僕が居る場所も自分の部屋ではなく厩舎だ。

 椎名さんは、どこに隠れても見つけてしまう。

 撒いて、僕が入れるくらいの大きな置物の中に入ってやり過ごしたと思い、出て数歩歩くと、後ろから「み〜つけた♥」と笑顔で言うのだ。

 あまりの恐怖で悲鳴をあげて逃げ出す。

 しかし、どれだけ逃げても撒けない。

 もしかして僕の体臭で分かるのかと思い、匂いを隠すために厩舎で隠れてみた。

 自分の考えが合っているか分からず、一晩中ビクビクしながら隠れた。

 ようやく朝が来たことに喜んだ。

「とりあえず、部屋に戻るか・・・」

 一晩中厩舎に居たので、制服に厩舎の匂いがついているかもしれない。

 部屋に匂い消しの香水があるはずだから、それを振りかけるか。

 僕は厩舎を出て、自分の部屋に向かう。

 向かう途中、椎名さんが現れないかビクビクしていた。

 いきなり肩を叩かれた。体を震わせて後ろを振り向く。

「おっはよ〜。どうしたの? こんな朝早くから、こんな所をうろついて」

 そこに居たのはマイちゃんだった。

 思わず安堵の息を吐く。

「な、なんだ〜、マイちゃんか〜」

「“マイちゃんか〜”とは、朝から随分な挨拶ね」

 マイちゃんは拗ねたように頬を膨らませる。

「ごめんごめん。ちょっとした事があってさ」

「ちょっとした事ね。それよりも、ノッ君、なんか臭い」

 マイちゃんは鼻を抑える。よほど臭いのだろう。

「ああ、これね。部屋に行って消臭の香水をかけてくるよ」

「じゃあ、ノッ君の部屋にゴー」

 マイちゃんは臭い僕の腕を掴んで、僕の部屋に向かう。

 途中、椎名さんに会うことなく、僕の部屋に着いた。

「入らないでね」

「分かってるから、早くその臭いを消しなよ」

 僕はちゃんと施錠されているか確認した。

 前に椎名さんがピッキングして開けたので、確認しなければ。

 どこも異常はなかった。

 僕は安心して鍵を回して部屋に入る。

 ドアを閉めて、一応部屋中を見回る。

 誰もいないことを確認するためだ。部屋中を見回して誰もいないことを確認し、僕は息をつく。

 本当は仮眠をしたいところだが、部屋の前にマイちゃんを待たせているので、ベッドの横のサイドテーブルの上に置いてある瓶を取る。

 この世界では、僕達のいた世界みたいにプシュと掛ける物はない。

 瓶の蓋を開けて少量手に取り、それを制服にかける。

 メイドさんに聞いた所、この香水はすぐに気化するそうだ。

 なので、量が少なければ濡れる心配はない。

 制服に掛けた僕は、一応嗅いでみた。

「くんくん、別に変な匂いはしないな」

 一応、首とかにも掛けて僕はようやく部屋を出る。

 扉を開けると、そこにはマイちゃんと椎名さんが居た。

 あまりの事で、僕は一度扉を閉じて目をこする。

(昨日追いかけられ過ぎたせいで幻覚でも見ているのかな? 寝てないせいか変な物を見るようになったのかな?)

 もう一度開けると、マイちゃんと椎名さんが居た。

 それと何故か村松さんも居た。

(増えた⁉ 何で?)

 僕はもう一度目をこするが、三人は居る。

「お、おはよう、マイちゃん、椎名さん、村松さん」

 とりあえず朝の挨拶だけすることにした。

「おはよう、猪田君」

「おっは〜、元気ないけど大丈夫?」

 昨日、そこに居る椎名さんに一晩中追いかけられたので、元気がないのです。

 そんな事を言っても意味がないので、僕は気になる事を聞く。

「村松さん、何で君がここに居るの?」

「う〜ん、何か椎名っちがどこかに行きそうだったから、付いて行ったらここに来ただけ」

「あっ、そうなんだ」

 その後、何を話したらいいか分からず黙っていたら――

 グゥーとお腹の虫が鳴りだす。それも僕の。

「あっはははは、今日は早く起きたと思ったら、お腹が空いたから起きたんだ」

「イノッチは食いしん坊だねぇ」

 村松さんとマイちゃんは笑い出す。

「そ、そうなんだ。お腹が減ったから早く行こうよ」

「そうだね、早く行こうよ」

「あたしもお腹減ってるし、行こう」

 二人は先に歩き出す。

 僕もその後に続こうとしたら、椎名さんが僕の耳元に顔を近づける。

「昨日の事は、今度聞かせてね」

 そう言って、椎名さんも先に行った。

 僕は少し立ち止まり、先ほど言われた事を思い出す。

(……どう言っても、修羅場になるな)

 椎名さんにもう一度聞かれても、はぐらかすしかないなと思った。

 僕は三人に少し遅れて食堂に向かう。

 食堂に着くと、見慣れないローブを着た一団が居た。

「何だろう?」

「さぁ、あたし達も分からない」

「ローブを着ているから、魔法を使う人じゃない?」

「魔法を使う……そんな人たちが何でここに居るんだろう?」

 もしかして、僕達が食堂に来たら魔法について説明するのかなと思った。

 でも、それなら説明する人は一人で良い。

 団体で来る必要はない。

 考えても分からないので、お腹が減っている僕達はとりあえず席に座る。

 どこに座ろうかと思っていたら、ユエが手を振っている。

 ちょうど五人掛けテーブルなので、僕達はそこに座る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ