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それからの数日、私たちは元通りの親友とはいかないまでも、それなりに仲良く暮らした。十年以上会っていなかった上に、私は現実の時間の流れの通りに歳を取っているというのに、メイは姿形だけでなく精神年齢までも幼い頃のままなのだ。
大人と子ども。歳の離れた従姉妹のほうが近いかもしれない。
そんな二人が対等な関係の親友でいられるはずがない。
子供の時よりも身長も高くなり、当然顔立ちも大人になり、服も沢山持っており――といっても、あまり交友関係が広くなく、オシャレにもさほど興味はないので人並み以下だが――一人暮らしなのである程度料理もでき、カジュアルスーツを着て仕事に出る私をメイは羨んだ。
若さが保たれていて、動きが軽やかどころか空だって飛べてしまう。未来に不安もないだろうし、仕事に行く必要もない。トイレに行かなければ、面倒な入浴だってしなくて良い。疲れないのか、睡眠も必要ないらしい。そんな永遠の子供であるメイを私は羨んだ。
お互いに無い物ねだりをする関係。ある意味では、子供の時よりもずっと対等な関係なのかもしれない。
悪くない。いっそ、ずっとこのまま暮らせればいいのに。
なんて、一つのベッドで二人添い寝をして、睡眠が不可欠な私に合わせるように寝たフリをするメイの穏やかな顔を見ながら夢想したりもした。
そして、週末がくる。
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