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メイは私の親友だった。
傲慢な自分は誰からも好かれていないのだと自覚していた幼い頃の私にとって、唯一の友達。
家にいる時以外のほとんどの時間を一緒に居てくれた。
私がただ一人、心を許していた女の子。
でも、私は心の底からは信じきれていなかった。
メイも他の子たちと同じで、自分の身を守るために私の側にいるんじゃないか。実は周りの子たちと繋がっていて、陰ではみんなと一緒になって私のことを嘲笑っているんじゃないか、と。
だから、私はメイの心を試すことにした。
その日も、今日のように雪が降り積もる、とても寒い日だった。
「ねえ、今日はあの公園で待ち合わせしよう」
「え? でも、今日は雪も降ってるから、わたしの家かフミちゃんの家にしよう?」
「ううん。だめ。今日はあの公園に集まってから遊ぶの」
「でも……」
「約束。ちゃんと来なかったら、分かってるよね。怒るよ。絶対に、許さないから」
渋って言い淀むメイをよそに、私は有無を言わさず約束を取り付けた。メイの心の内なんて、その時の私にとってはどうでも良かった。
約束を守る気なんて端から、微塵も無かった。
雪が珍しくもないこの町で、こんな雪の日に外で遊ぶのは元気の有り余った男子か、家の中での遊び方を知らない元気な子くらいだ。
それなのに公園で待ち合わせをして、挙げ句私は公園に行くことはない。
これが、メイの私への忠誠心を試す方法。
でも、半分は冗談だった。
きっとメイは寒さに耐えきれず、すぐに帰ってしまうだろう。そもそも、公園に行きすらしないかもしれない。そうしたら、明日学校で「どうして行かなかったの? 約束したよね」と叱りつけてやろう。もしかしたら、律儀に長い時間待っていたせいで、風邪を引いて学校を休んでしまうかもしれない。それなら、お見舞いがてら家に行って、間抜けな顔して布団で寝込んでいるであろうメイを笑ってやろう。
どんな顔をするだろう。怯えながら泣いたり、オロオロと困ったりするメイの顔を想像して、私は暖かい部屋で炬燵に入りながらほくそ笑んでいた。
次の日が楽しみで楽しみで仕方がなかった。
しかし、冗談では済まされなくなった。
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次回更新は明日20時頃を予定しています。
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