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15/22

3人はとてもなかよしで



昨日から人の増えたこの部屋も朝の風景は殆ど変わらないけれど、1つ今日はいつもと違うことがある。

朝ごはんの匂いがしないのだ。というか朝食を魔王様達と摂ることになっている。昨晩は夜ご飯が別々だったから朝を、ということになったらしい。



アリスの選んだドレスをメイドさんに着せてもらい、執事さん達を引き連れ地図の部屋こと朝食会場へ向かう。


「ご主人様のお部屋があるこのフロアには、魔王かキース、ワン、あとこの執事とメイド達しか入れないのですよ!知らない人を見かけたらすぐに逃げるって覚えててくださいね」


「わかったよアリス、ありがとう」



アリスはいつもの水色のワンピースに白いエプロン姿で、ニコニコと話しかけてくれる。うん、今日もかわいいね。



「おはようございます、魔王様、キース様」


「……おはよう」

「おはようございます、ライラ様」


魔王様は朝は少し弱いのか、いつもよりぼんやりされている様な気がする。

そしてキース様の呼ばれ方に距離を感じる件について。

とりあえず気にせず、いつもの席へ進み執事さんの引く椅子に座る。


今日もフカフカ白パンがある!幸せだ!

メニューはいつもアリスと食べていたものと変わらない。今までも魔王様と同じ朝食が準備されてたってことかな。


そういえば。


「魔王様、昨日聞くのを忘れて寝てしまったのですけど、1番さんって人が会いにきました」

「……」


こくり、と頷く魔王様の様子から、魔王様の指示だったことがわかった。



「1番はライラ様の護衛ですから、何かあったら呼んでください。他に7番までお近くに控えさせていますので、伝令などにも使ってくださいね」



キース様が補足を入れてくれた。

ワンさんは7番までいる?ということは、他に6人番号の人たちが隠れているのか。全員真っ黒でお面姿なのかな?



「わかりました。……ところでキース様はどうして呼び方を変えられたのですか?」


「それはライラ様が正式に魔王様の婚や…ンン、アドミスの家名に迎えられたからですね」


「そういうものなのですね」



お披露目会でなにか失敗したのかと思った。よかったよかった。

それにしても、上司のペットにまで様付けしないといけないだなんて、お城勤めは大変だね。




*******




さてさて、本日はお城案内の日。


「では本日はこの魔王様とライラ様が生活を送っている塔の案内からはじめましょうか」


「正面入口はじめて来ました。広い」


「ご主人様がここに来た時は通らなかったのですか?」


窓からダイナミックに入ったからなぁ……


「うん、ここは通らなかったかな」

「?」


首を傾げるアリスには頭を撫でておく。


正面玄関の様子は高い天井と大きな扉、豪華だけれど上品な装飾品。

そして入ってきた人を迎える大階段。

ここを上がっていくと謁見の間に続いているらしい。


キース様の説明によると、ここはとにかく丈夫な素材で作られており歴代勇者や、挑戦者のほとんどはこの大階段を登ることなく討たれているらしい。


そんな激しめな歴史のある場所なのに、建て替えたり補修したりといった事は殆どなく、建築当初からこの状態で保たれているとのこと。


「ではせっかくなので攻城を想定してご案内致しましょうか」

「え?あ、はい」


キース様がにっこり笑顔で大階段を登っていく。階段の奥には壁に溶け込む様な色合いの扉が何箇所かあり、そこが使用人の方々の入口であったり、休憩室だったりがあるということだ。


あの大きな扉が閉まっていたら私では開けられなさそうなので、あとで使用人の方の出入り口も教えてもらわなきゃ。


さて、魔王様討伐想定の私たちの次の目的地は謁見の間らしい。


いつも魔王様がお仕事をしている執務室とは違い、ただ縦方向に広くて豪華な部屋で昨日の豪華椅子よりさらに物々しい?迫力のある椅子が奥に置いてある。


なるほど?あそこに座って『フハハハハ!!!よく来たな勇者よ!我を倒してみよ!』とかってやるんだ。


え、あの魔王様がそんなことやるかな???普段から無口なのに?テンション上がってノリノリでやっちゃう場面が想像出来ないけど面白いね。


「ここで魔王様が出迎えるわけです。さっきの階段下で兵達が全滅した想定ですね」


「全滅……しちゃうのですか?」


「ご主人様が逃げる時間くらい稼げるんだろうな?」



謁見の間の量端には太い柱が等間隔で並び、魔王様の椅子の奥は壁一面のステンドグラス。カラフルな光が差し込んでいるのでとても綺麗だ。


「ご安心ください。もちろん全滅はしませんよ。階段下の戦闘はこの部屋に魔王様が降りてくるまでと、非戦闘員が退避するための時間稼ぎです。終わり次第撤退の手筈となっております」


ふむふむ?


「なるほど、ひみつの通路とかあるのですか?」


「はい、そちらも後ほど。アリスが把握しているとは思いますが」


「勿論おぼえてますよっご主人様!」


秘密の通路ほんとにあるんだ!さすが魔王城!!!期待を裏切らない!!!

それに覚えきれなくてもアリスと一緒にいればなんとかなりそうだ。


「アリスはすごいね。キース様、秘密の通路は私が知ってもいいのですか?」


「問題ありません。むしろ知ってていただいた方が良いでしょう。とはいえ魔王城の攻略はこの部屋でおしまいですね。ではこのまま上階に向かってご案内致します」



魔王様の椅子に座ってみますか?と聞かれたけれど遠慮しておく。豪華椅子って足がつかないから座るの疲れるんだよね。


謁見の間の続きの部屋は控え室、そこから先は魔王城で働く人の執務室などが続いているらしい。








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