学生の戦争12
『我々の最後通達のために通信すべてを乗っ取ってしまい申し訳なく思う』
『映像つきの通信です』
全面モニターの一部にその映像が映し出される。映像にはひとりの男と一枚の写真、それに後ろに並ぶ大量のarmy。
「ナカイ名誉騎士の写真か」
その写真は多く出回っておりだれでも入手可能なものであり、写されているのはナカイ名誉騎士のパイロットスーツ姿の写真だ。
『逆探知っ』
『了解』
『輸送機降下するっす』
『我々はテロリストとされているが、国民の味方である』
『全機輸送機降下次第敵に向け進行する』
『その証拠として我々の要求が飲まれ次第投降する所存である、我々の要求はひとつ、シルビア女王の退任である』
『逆探知成功王都目前』
『移動に時間がかかるっすよ』
『第3騎士団がいるから例えどれだけ居ようともつはずだ』
『それが飲まれ』
『飲むのじゃ』
通信に割り込んでくる、映像。この声は聞き覚えがある。
『妾はその提案を飲むのじゃ』
『飲むの、ですか』
『どうせ妾は政治に関しても習わなかった第5王女だった身、妾がおらずとも家臣達がどうにかしてくれるのじゃ』
そう言うと映像の男は沈黙する。
『輸送機降下完了っす』
『急いで乗り込んで』
『「了解」』
輸送機に機体を乗り込ませる間もシルビア女王は話続ける。
『どうせ妾は妾の代で王による政治をやめ、国民による議会制政治にするつもりじゃったのじゃ、それが少し早まるくらい問題ないのじゃ』
『輸送機上昇開始』
『各騎士団は王都に結集せよ本隊はそこにいる』
男は黙り続けている予定が狂ったかのように。
『そもそも今回の最後通告とて、妾がごねたことを理由に王都を乗っ取り騎士団を各個撃破していく予定だったのじゃろ。妾にはお見通しなのじゃ』
言われた通りの作戦をとられたなら各個撃破は可能だろう、こちらは攻撃できず、向こうは攻撃し放題なのだから。
『移動開始するっす移動時間は1時間半っす』
『それで、どうするのじゃ』




