脱出戦2 sideN
これは放送をいれる前のこと。
「敵の規模は」
「不明、ですがマント付きを確認してます」
「うわぁ」
『ナインどうする』
「どうするもこうするも、敵の数が不明なら逃げるにせよ戦うにせよ、逃げてもらわなくちゃいけないでしょ」
『そうか』
「エム、フランカ達とウトをつれてここに来てくれ」
「了解」
それだけを告げるとエムに出ていってもらう。
「では騎士長シルビア女王を脱出させるために学生を囮にする許可をください」
『それは本気か』
「本気半分、建前半分って所ですかね。こうでも言わないと一応軍属の彼らに敵前逃亡の汚名を着せてしまうかもしれませんし」
『着せるつもりはないんだがな』
「まぁそこは半分本気と言うわけで」
そんなことを伝える内にフランカ達とウトが来る。
「なんのようじゃナイン」
「いえ緊急事態につきまして避難してもらおうかと」
「どれくらい危ないのじゃ」
「かなり」
「それで俺まで呼んだのはなんでなんっすか」
「いやフランカたちの輸送車の運転を頼む」
「了解っす」
ウトの方はすぐにすむのだが、フランカ、いやもうシルビア王女でいいだろう、が反対する。
「なぜ妾が残ってはダメなのじゃ」
「そろそろ王都に戻ってこいって言うのもありますので脱出に関連させて移動してもらおうかと」
「聞いてないのじゃ」
「今言いましたからね」
「それに王都は」
『それに関しては安心してください、奪還することに成功しました』
「と言うわけです、それに前の非正規作戦に協力したみたいじゃないですか」
「それは」
「そんなことをされるわけにはいかないんです、と言うわけで後退を」
「いやじゃ」
「ならば軍人として学徒兵フランカに命じます、後退しなさい」
上から命令を与える方に変更する。
「だが断るのじゃ」
断られる。
「妾は女王なのじゃ、どこの骨かわからない騎士の命令なんか聞かないのじゃ」
「………はぁ」
ため息ひとつ。
「分かりました」
そう言って仮面をはずす。
「ナインと言う仮面の騎士ではなく、名誉騎士ナカイとして命令、いやお願いをします避難してください」
「…………………わかったのじゃ、だが妾だけを特別扱いしなくていいのじゃ」
「というと」
「妾も一学生のフランカとして避難するのじゃ、じゃなければシルビア女王として断るのじゃ」
「はぁ」
深くため息をする、頭の中に立てていた作戦を切り替える。
「分かりました、なら学徒兵フランカ避難を」
「了解しました」
「ウトはプラン変更エムと協力して避難を」
「……………」
「避難を」
「……………了解っす」
「よし」
これで脱出戦の重要部分は処理できた。
「後は」
そう呟いて館内放送に手を伸ばした。




