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 お茶会中も神殿の庭園の隅には4人の聖騎士様方が警護に立って下さっている。他の2人は姿が見えないので周囲を巡回しているのかもしれない。聖女候補が休息日でも彼らは休みではない。私達と違うサイクルで日夜、聖女候補を警護されているのだ。姿の見える2人の聖騎士様が独身者なのでマリカさんとサーヤさんはお茶会より、早く庭の方に行きたそうだ。


 それを察したのかソフィーナ様は早々に自由時間にされたが、私達の輪に残りの4人が加わって女子トークに花が咲いた。その中でソフィーナ様の聖女候補を希望された理由が明らかにされた。

 もう1人の侯爵令嬢のアイリーン様が、ソフィーナ様に「王太子殿下の婚約者候補でらしたのに、なぜ聖女候補に?」とご質問されたのだ。アイリーン様も最初は候補者の中にいたがソフィーナ様には敵わないと、早々に自分は辞退したのだと仰りながら。


 公爵令嬢のソフィーナ様は、元々、王太子殿下の婚約者候補だったのだそうだ。しかし2歳年下の自分より、殿下と同じ年のもう1人の公爵令嬢と殿下はすでに良い雰囲気となっていたそうだ。それに気付いたソフィーナ様は自分から候補を降りようとした。しかしソフィーナ様のご両親は大反対で、候補を降りるなら近隣の王族の何番目かの側妃にすると言われたそうだ。

 そんな時に聖女様の引退と次期聖女の選定があると聞いて、飛びつくように聖女候補を希望したのだそうだ。そして聖女になるならとご両親も納得したのだという。


 他の候補者の令嬢も同情するように頷いておられた。少ししんみりしたところで男爵令嬢侍女のデイジー様が王太子殿下と言えば、自分が学院に通っている間、妖精のような美しい容姿の兄妹がいて、とても目を引いていたのだと話し出した。

 自分と同じ学年の妹の方が天真爛漫で王太子殿下にも遠慮なく突撃していて、王太子殿下も、まんざらでもないご様子で婚約者の公爵令嬢がヤキモキしていたという話だった。


「まあ!私が身を引いた後に面白そうね」とソフィーナ様が楽しそうに仰る。兄の方も見目麗しく同じクラスになった王太子殿下が側に置いていたそうで、妹も兄に便乗していたのだそうだ。

 ただ兄の方は身分を弁えていて周囲から好感を持たれていたそうだ。兄は妹にも勘違いしないように注意しており公爵令嬢に配慮しているというところまで聞いて、マリベルはまるで他人事だと思っていたのだが、「兄のベルトルト様と妹のララベル様ご兄妹よね」とユリア様が仰るを聞いて仰天した。

それ私の兄と姉ではないですかー!正真正銘の血の繋がった方。

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