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こちらの国で夫婦2人で外交官として順調に過ごしていたある日、彼女の兄が結婚するので式に招待したいと手紙が来た。
確か子爵令息はあのまま無事に卒業し、王太子殿下の侍従を務めているんだっけ?
お相手はなんと公爵令嬢の従姉妹の侯爵令嬢だというではないか!侯爵令嬢の祖母は確か王女殿下だったはずだ。
また凄い相手と結婚するもんだ。きっとあの容姿を気に入られたのだろうな。
ララベルが「ルト兄様、兄妹で一番仲が良かったの。なのに迷惑かけちゃったから、ちゃんと式に出て祝ってあげたいな」とそう言った。
俺は領事館の総領事である伯爵に、結婚式に出る為の休暇が取れないか聞いてみた。
俺は補佐官の時と違って外交官になっていたから、総領事の許可が要る。伯爵はこちらは構わないので本国に許可を取ると言ってくれ、俺達がしばらく待っていると、想定外の本帰国の辞令を受けた。
俺は驚いて伯爵に理由を聞くと、俺のこちらでの手腕を買って、俺を本国に戻し、準備が整い次第、俺を南の隣国へ派遣することが仮決定したというのだ。
南の隣国というと何ヶ所か候補にある王女殿下の嫁入り先の一つではなかったか!?
もしかして俺がこれを担当するのか?俺はその可能性に武者震いをした。
俺がララベルと息子を伴い帰国すると、俺の両親が諸手を挙げて待っていた。俺達はこちらにいる間、伯爵家の世話になる。官僚用の宿舎もあるが小さい子がいるので親元を選んだ。両親達はララベルも孫も可愛くて仕方がないしな。
領地は兄に丸投げして来たらしい。兄ゴメン。
帰国して次の日、俺は外務大臣と、俺のかつての直属の上司だった侯爵令息に帰国の挨拶をする為、王城に登城した。
侯爵令息は外務大臣の侯爵家に入婿として入り小侯爵になっていた。そして外務大臣補佐官の職に就いている。
さすが抜かりの無い人だ。俺は多分、永遠にこの人の背中を追いかけて行くんだろうなと思った。
俺が2人に帰国の挨拶と報告をすると、まずは帰国を労われた。とりあえず半年は待機だが、伯爵が言っていた通り、南の隣国への派遣を仄めかされた。
だがこの派遣が上手くいけば子爵に陞爵だろうと言われ、これは妻と子の為に頑張るしかないだろうと思った。
俺は帰宅後、ララベルに次の派遣先と仕事の事を話した。まだ内定の話だが成功すれば子爵なのだ。
それから2人で南の隣国に関して猛勉強を始めた。外務省の資料や王城の図書館だけじゃなく王都に南の隣国の人がいると聞けば会いに行き言語やその国の色んな情報を学んで準備した。
そうして俺達が帰国して1ヶ月後、ララベルの兄君の結婚式が行われる当日の朝、俺は初めてララベルの両親と兄妹達に会う事になった。
式は大神殿のホールだった。ここって王族や公爵以上が挙げる場所なんじゃないの?
神殿の控室に子爵家の面々は揃っていた。
ララベルが「お母様!!」って母親に抱きつく。
「わぁこの人がお母さんなの?本当に5人も産んだんだ」っていうくらい若くて綺麗な人だった。次に「お父様」って抱きつく。
「あぁ父親もこのレベルなのね」そして義弟と義妹。
確かに妖精の一族だわ。疑っててゴメンなさい。
ララベルが俺と息子を家族に紹介する。まだ2歳になったばかりの息子はヤンチャだが可愛い盛りだ。ララベルの両親も孫の存在を喜んでくれた。だが息子は祖母、母、その妹を見て誰が自分の母親か分からなくなっていて、ちょっと笑えた。確かに3姉妹かのように見える。
義弟にも義妹にも挨拶をしたら、
「わーイケメン。姉ちゃん目標達成じゃん」と妖精の方々にイケメン認定されて、アリガトね!って感謝した。
式が始まると、その参列者にも驚いた。王太子夫妻?公爵家?筆頭侯爵家、そして俺の元上司の小侯爵夫妻。
ああそうか新婦は元聖女候補だったんだ道理で豪華メンバーだ。
そして立ち会いは聖女様だ。そうだ新郎の妹じゃん。俺の義妹か?!まさに王族級の結婚式。
だが、そんな中でもマイペースな子爵家の人々。
「おぉルト兄ちゃん馬子にも衣装!」
「マリィ姉、やっぱ父似だ!」
お陰で俺の緊張も溶けたわアリガトな。
息子は義妹が気に入ったのか、ララベルの妹嬢の腕でぐっすり眠っている。
「重いだろ?」って俺が代わろうとしたら、
「大丈夫。ヨダレだけ拭いて?」って笑ってくれた。
「おぉゴメン」急いで令嬢に垂れかけた息子のヨダレを拭く。
それにしても良い子達だな。
子爵家の親族席だけ光ってる。そして皆がこっちを見てる。そんな中に俺が居てゴメン。
だけど主役達はあっちだぞ。
とりあえず一旦5話で区切ります。この後のお話は南の隣国も絡んでくるので
様子を見ながら進めて参ります。
ご覧頂きありがとうございました。




