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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 依然、マリベルは放心状態だ。それでも聖女様は優しい。

「マリベル、相当驚いたでしょうね。あなたはこれまで侍女として過ごしていたから。でもあなたが侍女の仕事をしつつも聖女の知識や魔法を誰よりも早く習得し、信仰心を持って人々を助けていたのは大神殿の皆が知っていることよ」

 「当然、女神様もご存知よ。」

「あなたが女神様に選ばれたことは当然のことなのよ。どうか恐縮しないで聖女を引き受けてくれないかしら?」

 やっと戻ってきたマリベルは震えながら「私が?私なんかが?」と呟く。とソフィーナ様がマリベルを右から抱き締める。更に左からはビアンカ様が抱き締めて下さる。


 「私達もあなたが選ばれてくれて嬉しいわ。あなたが選ばれなければ女神様は目が節穴なのではないかと疑ったところよ」と仰って笑って下さる。目が節穴とは女神様に対して無礼ですよと言える状況ではないが思ってしまった。

 しかしココット様が「今、目が節穴って女神様に無礼じゃないかとか思ったでしょ。マリベル?」と言う。ガーン!バレてますっ!マリベルがグッと言葉に詰まっていると、

 アイリーン様が「そういう真面目な所も聖女に向いてるって、ずっと思ってたの」他の皆様も口々に激励して下さる。マリベルは心から大泣きしながら皆様に感謝の気持ちを伝えた。

 

 その日の夜からマリベルは侍女ではなくなった。

侍女の部屋で寝なくても良いと言われたが最後までビアンカ様と過ごしたかった。お風呂は初めて全員で女性用の共同の浴場に行った。そこで神官様達や女性の聖騎士様にもお祝いを言われてお風呂を出た時にはもうヘロヘロだった。

 そして最後はビアンカ様のベッドで2人で眠った。本当は女子トークをする予定だった。ビアンカ様も何か私に言いたいことがあるご様子だったのだ。

 しかしマリベルはもうクタクタで初めてビアンカ様より先に寝てしまったかもしれない。

 翌日は朝から礼拝の後、朝食、その後、聖女候補だった者達は神殿を出る準備をする。侍女達も聖女の住まいに部屋を移る。朝からバタバタだったが、表の方も聖女決定の報を世間に公表するため忙しかった。

 

 こうしてマリベルが新聖女に選ばれたことが国中に広まった。

きっと侍女から選ばれるなんて世間では大騒ぎだろう。

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