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冬も終わりに近付き、あと一ヶ月で二年目を迎えようというある日、大神殿では早朝から聖女決定の神託が降りたと大騒ぎだった。
神殿内での聖女の発表は午後から行われると、私達にも知らせが来た。
聖女候補達のここ最近の生活は、全員で朝の礼拝から午前の神殿ホールでの治療2時間、昼食をはさんで午後2時間の治療が日常となっていた。
もう全員が治癒も回復魔法もお手のもんだ。
ホールで治療が終わった後は一時間程、国を守る魔法の防御壁の点検と補修や強化を遠隔魔法で行っている。
その後は夕飯まで休憩しても良いことになっているので、今では皆で談話室に集まって会話したり、刺繍したり、読書をしたりして過ごしている。
だから聖女の決定も皆で一緒に聞こうということになった。
私達12名は聖女候補と侍女でありながら苦楽を共にし、とても仲良くなっていた。
私達、侍女6名は、このまま新聖女様の侍女として神殿に残ることを決めている。
聖女候補の皆様も聖女になれなくても「神殿に会いに来るわね」とか「手紙を送るわね」とか言い合って別れを惜しんでいた。
そこに聖女様と大神官様達がやって来た。
護衛の聖騎士様もいるから大勢だ。
お告げは聖女様、直々に伝えてくれるらしい。
「皆様、今日まで聖女教育、大変ご苦労様でした。誰一人として脱落せず、最後は皆で協力し合って乗り越える姿が、とても好ましいと思っておりました」
聖女様がそう言って涙ぐまれる。
そりゃあ、色々ありましたものね。
「ご心配をお掛けしました」とマリベルは心の中で思っていた。
「今日で、その尊い日々も終わりを迎えます。誰が聖女になってもおかしくはありません。なので女神様のご意志を皆で尊重し、新たな聖女誕生を祝って頂けますか?」
聖女様のお言葉に皆の目にも涙が浮かぶ。
マリベルもウンウンと頷き、新聖女の誕生を待つ。
「女神様のお告げにより、次代の新たな聖女は、マリベルに決まりました。皆様お祝いの拍手をお願い致します!」
聖女様は何だか嬉しそうに仰っているけど‥‥‥
おいコラッ!何か間違ってないか?
マリベルは目を見開き、口を開けて固まる。
聖女候補だった皆さんも侍女の皆さん、大神官様達も護衛の聖騎士様達も当然のように笑顔で拍手を送って下さっている。
理解していないのは多分マリベルだけだ。
なんでー!?何が起こってるのー!?
マリベルは大混乱で拍手が止んでも固まり続けるのだった。




