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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 自分が手配した伯爵令息のお陰で、子爵令嬢が姿を見せなくなり、殿下の周囲がやっと落ちつき始めた。

 その頃、王弟殿下が聖女様に面会に行くと聞いて、王太子殿下もご一緒されることになった。名目は、かつて自分の妃候補だった令嬢達の激励と教育の視察であったが、殿下は絶対にライオットの“水色のベル”を見に行きたいのだろうとマレシアナは邪推した。

 ライオットも久しぶりに従姉妹に会えると聞き、表情には出さないが行動がおかしい。

もうスキップはしたらいけない歳だろう。

 モヤモヤするが自分もアイリーンやソフィーナに会えるは嬉しいし、直接、マリベルを見る良い機会だ。2人共「えっ一緒に来るの?」って顔をしているが、2人揃って各々の“ベル”に虜にされた男どもだけで行かせる訳がない。


 視察はお忍びで、公式ではないので聖女候補は偶然集まっていたソフィーナを中心とする4名だった。まあ伯爵令嬢達はどうでもいい。

 案の定、ライオットは初っ端から暴走していたし。殿下も候補者達への挨拶そこそこ“水色のベル”を見ている。マレシアナは王太子スマイルのわずかな変化を見逃さない。伊達に生まれた時から一緒にいるわけではない。

 幸いライオットの奇行の方に全員の目がいっているので、殿下のスマイルが多少崩れても問題はない。


 マレシアナの目から見てもマリベルが異色であることは分かる。まずスキが無い。それにまるで女神そのものが立っているかのように清廉なオーラを放っている。

 そんなマリベルから姉のやらかしに対する謝罪を受けた。思わず嫌味を言ってしまったが、真摯に耐えている様子を見てライオットが私に噛み付いてきた。このバカが!!

 ライオットの扱いにも慣れているのだろう、彼女は多少ヤツを睨みはしても無の境地を保とうとしている。


 しかしライオットの従兄弟だという聖騎士の発言で一転した。

「えっ私もライオット様と従姉妹です」ちょっと抜けてるんだな。

また殿下のスマイルが歪んだ。恐るべしギャップ萌えというやつ。

王妃教育の中にも盛り込むべきだなと心にメモする。


 これから彼女達は魔法実技の実習に入るというから、まだどうなるかは分からないが計画は続行だ。この後、第一王子殿下の投入に聖女候補達はどうなるかな?

 マリベルにも影響はあるのだろうか?まあライオットが従兄弟を使って手を回しそうだ。従兄弟が殿下の世話を担当するのだというし。しばらくは傍観だな。

 マレシアナは駄々をこねるライオットを引っ張る殿下の手伝いに加わると早々に帰城した。


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