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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 俺が聖騎士の見習いを経て独り立ちする頃、ライオットは第二王子殿下専任の警護を任されていると聞いた。近衛騎士に成り立てで、いきなり大出世ではないか!第二王子殿下と言えば王妃様のご嫡男だ。恐らく将来、王太子になる王子で間違いないだろう。

 ライオットに近況と流石だな!という賛辞の手紙を送ると、ライオットからは「王子はまだ幼いから俺ぐらいのが丁度いいんだよ。お互い忙しいだろうけど頑張ろう」と返事が返って来た。

 父にライオットはすごいなと言うと「筆頭侯爵家へのご機嫌取りだろう」と身も蓋もないことを言う。父に抗議したら「色々あるんだよ」と黙り込んだ。


 父はかつて侯爵家の三男と仲が良かったと祖母が言っていた。彼は近衛騎士だったと聞いていたが今は国を出て傭兵になっているらしい。その事と何か関係があるのだろうか?気になったが結局、父には聞けず仕舞いだった。


 聖騎士になってしばらくは地方の神殿に赴任したりもしたが、わりと直ぐに王都の大神殿に戻された。恐らく俺が伯爵家の出であることが大きいのだろう。

 大神官様の中には平民だった者もいる。彼らは自分の護衛担当に高位貴族出身の騎士がいると助かることも多い。なぜなら貴族が大神官様を元平民だと侮ることがあるからだ。

 俺の身分がそれを諌めるのに役立つのだ。そしてそれは神官達だけではなく聖女様の侍女にも言えた。聖女様の侍女は王族の侍女と(不自然な改行)

変わらない扱いだ。しかし平民出身の侍女には貴族は平気で横柄になり聖女様に取り成すよう脅す者もいた。俺はそういう輩も貴族の身分で排除していった。


 そんな中で何度も助けることになった平民の侍女と俺は良い仲になり晴れて恋人となった。彼女は平民でありながら聖女様の侍女が務まるほど優秀で人柄も良く、聖女様も俺達の仲を自分のことのように喜んでくれ、俺の両親にも彼女を薦める手紙を書いてくれた。


 聖女様の引退の予定が決まると同時に、新しい聖女を決める候補者集めが行われた。聖女様の引退と一緒に、彼女も侍女を降り俺と結婚する。あーやっとだ。だが王弟殿下は聖女様のことを8年も待ったらしい。俺はまだ短くて良かった。

 

 新たな聖女候補とその侍女達が揃った。これから2年間で教育と魔法訓練を行い聖女を決める。聖女候補と侍女の名簿の中には彼女らの推薦人の名前も書いてあるが、その中に筆頭侯爵家の名前を見つける。「マリベル…」侯爵家が庇護する子爵家の者だ。


俺は何か波乱が起こらなければいいがと女神様に祈った。

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