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水色のベルと緑色のベル  作者: 朱井笑美


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 早朝、朝の礼拝を終えたビアンカ様が食堂で朝食を召し上がっている間に、洗濯物を地下の井戸の近くの部屋に運ぶ。

 そこは洗濯場になっていて神殿の水魔法が得意なメイドさん達が出した衣類をまとめて洗って干してくれる。洗い場は神殿共通なので神官様方もよく通られる。

 位の高い神官様方が数人歩いてらしたので、マリベルは通路の端に寄って神官様方が通り過ぎるのを頭を下げて待っていると、1人の神官様が「新人の聖騎士投入で聖女候補の進捗に影響が出ているようですな」と仰って耳がピクリと反応する。


「このタイミングの新人投入は侍女の為とは言え、聖女候補に影響が出るのは困りますな」

「確かに。前回も前々回の時も、騒ついても1週間程度でしたから。しかし今回は魔法の実技に入ってもう1ヶ月ですか。まだ浄化を発動できていない者が2名もいるとか」

「ええ伯爵令嬢と聞いて驚いております。聖女様も、まだお呼びでないのかと心配されておいでで」

「今回は殿下がいらっしゃるので異例かと」

「伯爵家なら王家にも嫁げますからな」

「しかし殿下はもう王家から離籍を決めておられる。第3王子殿下も立派に成長されておいでだから、王位継承権も放棄されると仰っているしな」

「2年を待たずして候補の離脱にならなければ良いが」

「前例はあるが前代未聞であるな。次回の聖女候補選定はより厳しくしないとならないかもな」と会話され通り過ぎて行かれた。


 新人聖騎士様の投入は侍女へのご配慮だったのですね。

てっきり高齢化緩和のためかと。

 聖女候補の侍女はこのまま聖女の侍女にもなるから、多少エサが無いと辞められたら困るからですかね?ということはパパさん聖騎士様達の奥様方も侍女だったのかなー?

 名鑑によると4人は歳も近くて入団時期も近かったはず。

侍女にはエサで、聖女候補には試練ですか。でも今回は特大すぎましたねぇ。とマリベルは納得してビアンカ様のもとに急いで戻る。


 夏になり、王弟殿下の結婚による臣籍降下と共に、第一王子殿下の臣籍降下と王位継承権の返還が発表された。

 王弟殿下は後継のいなかった公爵家を継ぎ、第一王子殿下には母君に伯爵位の地位が与えられ、側妃として20年近く過ごした王城を去り、伯爵領に移り住むことになられた。

 それに伴い第一王子殿下のご実家は母君の伯爵家となる。

もう殿下でもなく伯爵令息、又はただの聖騎士様だ。


 この報を受けて伯爵令嬢達は落ち込んだように見えたが、割り切ったのか、吹っ切れたのか浄化魔法を使えるようになり、聖女様と周囲を安心させた。

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