2.第25章 大占者2
「ゴ族の族長シュバランケよ、悔い改めよ。」
「おまえ達の行為は、この世界に混乱を巻き起こしている。」
「今すぐ悔い改めて、おまえ達の元の場所へ戻れ。」
「この世界は、二つの相対する明白神と暗黒神に守られて成り立ってきた。」
「二神によって均衡が保たれてきた世界だ。」
大占者イサムナは、さらに続けた。
「明と暗の二神が、この世界を五つの要素に分けた。」
「その五つの要素から、各種族が生まれた。」
「木性のドゴン族とウッド族。」
「火性のバード族。」
「土性のアント族とロック族と、おまえ達ゴ族。」
「金性のマント族とキチェ族。」
「水性のウタ族だ。」
「各種族は食い食われ、利用し利用されながら、この世界を移動し均衡を保ちながら生き続けている。」
「それぞれの種族は敵対し利用しながらも、共存をしている。」
「どの種族が欠けても、無くなってもこの均衡は保たれない。」
「我々シバルバ族は、二神から各種族をつなぐ役目を授けられた。」
「各種族が未来永劫生き続けて行くように。」
「どの種族が優っているのではない、どの種族が劣っているでもないのだ。」
「互いが互いを必要とし、共存して成り立っている世界だ。」
「シュバランケよ、おまえは今その均衡を破壊し、自分達がこの世界の支配者になろうとしている。」
「それは、許される行為ではない。」
「おまえ達ゴ族は今、自分の乗った船に火を付けているのだぞ。」
「自分達の乗った船に火を付けると云う事は、いつかは自分達の足元に火が来ると云う事だ。」
「自分達が付けた火で、自分達が焼かれる事になる。」
「今すぐこの愚かな軍事行動を、止めろ!。」
「今ならまだ間に合う、今ならまだ間に合うのだ、シュバランケ!。」
「混乱を引き起こした張本人は、おまえ達シバルバ族ではないか。」
シュバランケが口を開いた。
「冬至の神事での、神への生贄を差し出さなかった、いや、奪ってしまった。」
「それは神への反逆行為だ。」
「あれ以来、明白神は天空に現れなくなった。」
「そして見てみろ、今天空を支配しているのは…」
シュバランケは、血塗られて刃こぼれのした剣を天に突刺した。
「今、あそこでうごめいている暗黒神だけだ。」
「この混乱を造り出したのは、おまえ達シバルバ族なのだ――。」
「暗黒神は、私に啓示を与えた。」
「暗黒神は私に伝えたのだ。」
「惑星シバルバの全ての種族に会い、全ての種族にゴ族の力を見せつけろと、そして支配しろと。」
「二神が統治する世界は終わった、これからは力のある物が、この世界を統治しろと!!。」
「シバルバ族が統治する神の世界の時代は終わった。」
「これからはすべての種族の頂点に立つ、我々ゴ族の時代になるのだ。」
「二神の時代から、各種族が群雄割拠する時代になるというのか。」
イサムナが答えた。
「それが新しい時代だとして、武力による統治は許される事ではない。」
「我々シバルバ族を絶滅させる?。」
「それが、正しい時代の幕開けなのかっ。」
シュバランケがその言葉を引き継いだ。
「そうだ、それが正しい時代の幕開けなのだ。」
「まずは、俺を捨てたシバルバ族に血塗られた剣の制裁を加える。」
「シバルバ族を皆殺しにして、この俺の復讐を遂げる。」
「どれだけ苦しんで俺がこの地位に付いたか。」
「ゴ族の中で、捨てられたシバルバ族がどう生き延びて来たか。」
「おまえには、わかるまい、イサムナ。」
「見捨てられた人間の悲しさが、おまえには、わかるまい。」




